脳に異常があると言われ薬を飲む犬。

最近、カウンセリングで多いのですが、問題行動があると相談したら薬を処方されたという子達が増えています。昨日、久しぶりに北栃木愛犬救命訓練所の中村先生に会ってきました。

中村先生と同じく、NHKのプロフェッショナルに出演したトリマーの先輩、他のお店で断られた噛み付き犬を受け入れ、同業者のトリマーにも全国でセミナーをしているトリマーの先輩、以前からお会いしたかったこれぞまさにブリーダーと密かに尊敬していたブリーダーの先輩、私が合宿をやるきっかけになって、保護活動もしている先輩という凄まじく濃いメンバーで先生との元に向かいました。

行きの道中から語りはヒートアップ。

普段はマシンガントークの私も圧倒されることばかり。

うん、セミナーよりも凄いかも笑

中村先生のところに着いても、犬を見ながら、ランチをご馳走になりながら、室内で珈琲を飲みながら、時間が許す限り語りまくりのディスカッションしまくり。

トレーニングのことはもちろん、ブリーディングのこと、子犬の社会化のことなど。

その中で、中村先生から「薬を与えられた犬って高橋君のところは来る?」と聞かれました。

やはり先生のところも増えてきているのか・・と思いました。

薬を処方されるケースとして、飼い主に対する噛み付きや唸り、尻尾を追いかけたり、舐め壊し、自傷行為など。

柴犬の子犬で、薬を処方された子犬が来ました。

柴犬は繊細で敏感な子が多いのですが、その子は正直、凄かったです。

少しの刺激、犬がポンとその子に当たっただけで、骨が折れたんじゃないかくらいの絶叫で全力で泣き叫ぶ。

これは・・・

飼われているお家の中でこの大きさの鳴き声だと近所からあそこの家の犬は大丈夫なのか?と思われるくらいの鳴き声です。

これはこのまま帰すわけにはいきません。

お客様も気持ちが切れてしまって、不安でいっぱいなのは明白でしたから。

カウンセリングをしていていつも思うのは、薬を処方され、脳がおかしいと言われる前に、やれることはやったのか?ということです。

刺激は足りているか?

社会化は出来ているのか?

私から見たら全くでした。

やるだけやってダメならば薬に頼るのもいいかもしれません。

でも、目の前の子犬は何のチャンスも与えられていません。

機会を与えられないまま、脳がおかしいと言われている。

フェアじゃないなと思いました。

お客様に、私がやります。預からせてください。とお願いしました。

預かってみると、お客様がノイローゼになるのも仕方ないな。と思うくらいの絶叫。

ぎゃわんぎゃわん泣き叫ぶ度に、体のどこかが痛いのではないか?

首か?

背中?

腰?

神経?

泣く度にスタッフと一緒に体を触りチェックしますが、体のどこかを痛めているというわけではなさそうです。

どこかおかしいからここまで鳴くのではないかと思うくらいに、物凄い絶叫で泣き叫ぶことが3日ほど続きました。

その当時、当店にお買い物に初めて来たお客様は、ぎゃわんぎゃわん鳴く柴犬の子犬と、それをあやさず、大丈夫?と声もかけずに、静かにその様子を見詰める私を見て、なんでこの店員は柴犬の子犬がこんなに鳴いているのに助けないのか?意味がわからない。という顔を何度もされました。

信じるしかないんですよ。

可哀想で回避したらそこで終わりなんです。

本当にダメなの?

私は子犬の持つ力、可能性を信じました。

4日目から、ほんの少し、徐々にではありますが、泣き叫ぶことが減り、子犬同士で遊べるようになりました。

脳に異常があると言われ、薬を処方された柴犬はその後は順調に成長しています。

もちろん、まだお客様も悩むことはありますし、完全に楽観視は出来ませんが、このまま1歳を迎えられればもう大丈夫かなと思っています。

先日来たミックスの子も薬を処方されていました。

これまた、本当にやることをやっているのかな?と思いました。

カウンセリングで見たその子の印象は物凄く頭が良くて、強い。

好奇心旺盛でルンルンです。

でも、唸る、噛む。

お預かりして、すぐはルンルンモードでしたが、圧を少しかけると唸り発動。

マルプーってやつはどうしてみんなこうなんでしょうか笑

飼い主襲撃型のマルプーは、すぐには直りません。

しかし、この子もプロからのアドバイスは、噛まれないための回避ばかりのアドバイスでした。

アホか。

なんでもかんでも回避、回避って。

いや、噛まれないようにって言われても、飼い主が逃げ続けても追い掛けて噛むようになる子っています。

どんどんエスカレートする犬はいます。

飼い主は愛犬に気を使い、怒られないように生活する。

他のお客様で、いつ襲撃されるかわからないために、リビングで子供は立ったまま、ご飯が終わったら子供部屋にそそくさと戻るというケースがありました。

噛まれないために。

襲われないために。

そんなのっておかしいですよね?

どこかでそれは違うんだよ。って言ってあげた方が良い子はいます。

この子はカウンセリングで会った時に、噛み付きマルプーにありがちな、どんよりした暗さというか、闇を感じませんでした。

私は明るい所を伸ばしながら「我慢」させることに重点を置きました。

唸るから嫌がることはやめよう。と回避するのではなく、逆に頭が良いからこそ、やっていいこと、悪いことを教えていいのでは?

今まで、人間なんて唸って噛み付けばみんな言うことをきいてきたわけです。

そこに現れた、唸っても動じるどころか笑顔の店長。

しかも、どんどん指示を出してくる。

最初は私に敵意剥き出しでしたが、押したり、引いたりすると、その子は私を気にするようになってきます。

頭を使うようになってくる。

最初はイラつくだけだった指示も従うとなんだか楽しくなってきます。

この子も時間はかかるかもしれませんが、変わっていくと思います。

あ、そうそう大学病院で脳がおかしいから脳波を測らせてと言われ、カウンセリングに来たトイプードルは頭がいいのに飼い主に理解されず、逆に脳がおかしいと言われていました。

正しい方向に導いたら、今ではお客様と楽しく暮らしています。

吠えるから悪い犬。

唸るから悪い犬。

噛むから悪い犬。

落ち着きがないから悪い犬。

ではなく、きちんとその犬を見るべきです。

その子を見て。

簡単に問題犬にしないで。

簡単に脳がおかしいなんて言わないで。

簡単に薬を処方しないで。

根掘り葉掘りお客様から話しを聞くべきです。

UGに来た子達は全て、断薬出来ています。

もちろん、先天的に脳に異常がある犬はいます。

でも、私が出会った犬たちは異常があるどころか、頭がいいとか、理解されていない子達ばかりでした。

脳に異常があるどころか、逸材レベルの子がバカ扱いされていたことも。

そういう子を見るとたまらなく悔しくなります。

薬を処方され飲ませることはいつでもできます。

その前にやれることをやっているのかをよく考えなければいけないと思います。

昨日、夕方に先生のところに面会に来たご家族がいました。

一生懸命で真面目な飼い主様の表情、姿を目に焼き付けました。

先生のところに来なければどうなっていたんだろう?と思いました。

先生のところに来ている犬たちに比べると、UGに来る子達はウルトラスーパーイージーモードです。

UGに預けたお客様、信じられますか?

お客様の愛犬たちよりもはるかに凄い犬たちを先生は預かってくださっているのです。

先生のところにいる子達はプロが匙を投げた子達がほとんどです。

この業界の尻ぬぐいをしてくれています。

昨日、来た子も確かそうだったと思います。

私は先生みたいにはなれません。

次元が、レベルが違いすぎる。

訓練士としての確かな技術、経験に裏付けされた犬を分析する力、冷静な判断力、マジ噛みしてくる犬に立ち向かう勇気。

超人かよ!!と思います。

でも、これから勉強し続ければ、少しでも先生に近づくことが出来るかもしれない。

先生のところに行く前に私がストップをかけられるかもしれない。

結果を出し続けなければいけません。

自分がやれることをやっていくしかない。

笑顔になれるお客様と犬が増えるように頑張ります。