油脂

油脂は、ドッグフードの栄養素を補完する補助的な役割で使用されます。エネルギーの供給源となる他、皮膚の健康維持に必要とされている必須脂肪酸も豊富に含んでいます。また、特に動物性脂肪やオイルは嗜好性を高めるために使用される場合があります。

皮膚の健康維持には、オメガ3系脂肪酸とオメガ6系脂肪酸の量とバランスが重要と言われています。

オメガ6系脂肪酸から生成される生理活性物質は炎症を引き起こす作用があります。炎症を起こすといってもオメガ6系脂肪酸は必須脂肪酸であり、不足すると皮膚状態の悪化や発育不全などが起こりますので、過剰な摂取を控えることが必要になります。オメガ6系脂肪酸として代表的なものとしては、リノール酸やγ-リノレン酸があります。動物性脂肪や動物性オイルに多く含まれています。

オメガ3系脂肪酸から生成される生理活性物質は炎症を抑える作用があります。代表的なものはα-リノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)があります。魚肉や魚から抽出されたオイル、一部の植物由来のオイルに多く含まれています。

各植物油に含まれる必須脂肪酸含有率(参考値)
油の種類オメガ3オメガ6オメガ9
ひまわり油0.037%28%57%
コーン油1%58%28%
アボカド油1%10%75%
大豆油7%54%24%
キャノーラ油10%22%62%
亜麻仁油60%15%15%
エゴマ油62%15%14%

サーモンオイル

サーモンオイルは、鮭から抽出した油です。皮膚や被毛の維持に重要なオメガ3が多く含まれており、特にEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)が豊富に含まれています。

魚油

魚油(フィッシュオイル)とは、魚類から採取して得られる脂肪油(オイル)です。 ドコサヘキサエン酸(DHA)やEHA(エイコサペンタエン酸)を豊富に含み、脳や血管、腎臓を始めとした様々な臓器の健康維持に役立ちます。

オリーブオイル

オリーブオイル(オリーブ油)は、オリーブの果実から得られる植物油です。オリーブオイルの主成分であるオメガ9系脂肪酸であるオレイン酸は悪玉コレステロール(LDL・C)値を下げる働きがあり、その他にもカルシウム、鉄分、ベータカロチン、ビタミンE、ビタミンKなどの栄養や、オレウロペインというポリフェノールも含んでいます。

ひまわり油

ひまわり油(サンフラワーオイル、サンフラワー油)は、ひまわりの種から抽出された油です。健康な被毛や消化吸収の維持に必要な必須脂肪酸であるオメガ6脂肪酸やオメガ9脂肪酸を豊富に含みます。

亜麻仁油

亜麻仁油(別名:フラックスシードオイル)とは、アマ(亜麻)という植物の種子から抽出された油(オイル)で、オメガ3脂肪酸の一種であるα-リノレン酸を豊富に含み、α-リノレン酸以外にオレイン酸やリノール酸も含んでいます。

アボガドオイル

アボカドオイルは、アボカドの果肉を絞って取り出したオイルです。オメガ9脂肪酸(オレイン酸)を始めとして、ビタミンA、B群、Eなど各種ビタミンや、たんぱく質、レシチン、ミネラル、ペクチンなどの栄養を豊富に含んでいます。

キャノーラ油

キャノーラ油は、菜種(キャノーラ種)の種子から抽出した植物油です。不飽和脂肪酸であるオメガ9脂肪酸(オレイン酸)やリノール酸、リノレン酸などが多く含まれています。

動物性脂肪

動物性脂肪とは、食肉(鶏肉、豚肉、牛肉、羊肉、鶏肉、鴨肉、アヒル肉等)から抽出された脂肪のことです。嗜好性をあげるためなどに使用されます。脂肪の元となる食肉の種類により成分構成が異なりますが、代表的な豚肉や牛肉から抽出された動物性脂肪は、パルチミン酸やステアリン酸等の飽和脂肪酸のうちの長鎖脂肪酸が豊富に含まれています。 脂肪のもととなる原料が指定されていないため、あまり望ましい表記ではありません。

大豆油

大豆油は、大豆の種子から採取されるオイルです。植物油では最も一般的なオイルで、オメガ6系脂肪酸であるリノール酸を多く含み(約50%)、オメガ9系脂肪酸であるオレイン酸なども含んで(約20%)います。

ボラージオイル

ボラージ油(別名:ルリジサ種子油、ルリチシャ油)は、ムラサキ科の植物でハーブの一種である南ヨーロッパ原産のボリジ(ルリジサ、瑠璃萵苣)の種を搾った油です。皮膚の健康維持に不可欠なオメガ6脂肪酸の一種であるγ-リノレン酸(GLA)を豊富に含みます。

月見草オイル

月見草オイルは、マツヨイグサ属の1種であるメマツヨイグサの種子から抽出された油です。オメガ6脂肪酸の一種であるリノール酸が主成分で、植物油では珍しくγ-リノレン酸(GLA)も含んでいます。

コーン油

コーン油とは、とうもろこしの胚芽から抽出されたオイルのことです。オメガ6系脂肪酸を約60%含み、その他オメガ9系脂肪酸であるオレイン酸(約25%)を含みます。

アーモンド油

アーモンド油とは、アーモンドの種子からとれるオイルで、保湿効果が高く乾燥肌や敏感肌に良いとされています。

植物性油脂

植物性油脂は、菜種やオリーブ、大豆等から抽出された脂肪のことです。油脂の元となる食肉の種類により成分構成が異なりますが、植物性油脂の多くは不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。不飽和脂肪酸の中にはリノール酸やα-リノレン酸等必須脂肪酸が含まれているので、日々の食事の中で摂取する必要があります。 油脂のもととなる原料が指定されていないため、あまり望ましい表記ではありません。

牛脂

牛脂(別名:ヘット)は、牛肉由来の油脂のことを指します。オレイン酸やパルチミン酸、ステアリン酸といった長鎖脂肪酸が豊富に含まれています。

鶏脂

鶏脂(けいし)は、鶏を原料とする油脂のことを言います。鶏脂肪は、オレイン酸(オメガ9脂肪酸)や、皮膚の健康維持等に必要な成分であるリノール酸(オメガ6脂肪酸)を豊富に含み、高品質のエネルギー源となり、脂質の供給源や嗜好性をあげることを主目的として使用されます。鶏脂肪は、牛肉や豚肉の脂肪に比べ、不飽和脂肪酸(主にオレイン酸)の割合が特に多いという特徴があります。