サイトアイコン UG DOGS アトラスタワー中目黒店 店長日誌

ペットショップで子犬を飼うということ 2 レン卒業。

UGのリーダー犬だったトイプードルのバレンが卒業しました。

今回の記事はバレンの卒業を通して、改めて子犬を飼うことについて見直したり、考えるきっかけになればと思います。

バレンは、生後2か月で、女の子のトイプードルと一緒にUGにやってきました。

UGに来たのが2月だったので、バレンタインから、男の子はバレン、女の子はチョコという呼び名になりました。

左がバレン、右がチョコ。

2頭とも、

元気いっぱい。

これからUGで大切に育てながら成長していきます。

それにしても可愛い。

同じブリーダーさんのところから来た2頭ですが、本当の兄妹ではありません。

それでも仲良く、

一緒に頑張りまーす!!

こうしてバレンとチョコはUGに仲間入りしました。

生まれて初めて見る、肉付き馬背すじに興味津々。

病院で健康診断をするまでは少しの時間、ケージで過ごしてもらいます。

バレンとチョコで遊ぶだけだと飽きてしまうので、

まだ全然噛み千切るなどは出来ませんが、

匂いや噛んだ時の噛み心地などは立派な脳への刺激になります。

慣れてくると大きな口を開けてがじがじと。

子犬に固めのおやつを与える時は、誤飲しないように噛んでいる間は必ず人が見ているようにしましょう。

この場合、噛みきれないのはわかって与えていますが、まれに顎の力が強い子犬はどんどん噛めてしまうことがあります。

その場合は、まだ消化器系が弱い子犬だとお腹がゆるくなることもあるので、その時はおもちゃなどに切り替えてください。

と、早速、話しが脱線しましたが、こうやって引っ張りあいっこなどをしながら噛むおやつは最高に美味しくて、楽しいですね。

巻いてある肉が美味しいと気が付いたバレン。

バレンが噛み終わるのを虎視眈々と狙うチョコ。

渡さないよー

この後、チョコにあっさりと奪われました笑

ずっと見ていても飽きません。

健康状態に問題がないと先生に言っていただいたら、いよいよ群れの中へ。

初めて見るフレンチブルドッグのバロンの大きさにビビりまくる2頭w

でも、バロンが一番優しく、守ってくれることをまだこの子達は知らないのです笑

ちょっとドキドキする・・・

実は、この子達は初めて最初から群れで育てる子犬でした。

それまでは、ケージでの展示方法でしたが、ある日ふと気が付きました。

子犬を展示していても、どのお客様にでお渡しするわけではないですし、接客することは少なく、抱っこ商法で盛り上げて子犬を勧めるなどはもっての他、小さな月齢を売りに可愛いですよ、大きくなりませんよ、大人しいですよという何の根拠もないペットショップお決まりのセールストークをすることもなく、基本的に最低限の社会化が終わる生後4か月まではお客様へのお渡しはありません。

むしろ、もっといていいくらいですね。

あれ?

時間をかけて、育てながら子犬を販売するのであれば、ケージに入れてわざわざ小さな子犬がいますよというアピールをする必要はないのでは?と思ったのです。

この子が欲しいとお客様が仰っても、私がちょっと違うなと思ったらお渡ししません。

それならば、群れの中でルールを学びながら、元気に育った子をお渡ししたいと思いました。

その時にいるメンバーや、疲れが出すぎないように昼寝もきちんとさせながら、様子を見ながらバレンとチョコを育てることにしました。

かくして、子犬が展示されていたケージは物販スペースとなったのです笑

合宿の子達と同じように、群れの中でルールを学びながら成長していく。

ケージの中とは段違いの刺激と経験を得ることが出来ます。

ていうか、早くこのやり方にすればよかったです・・・

それでも、小さな子犬をフリーで育てるということはリスクもあります。

体も小さく、体力を見ながら、細心の注意を払って育てなければいけません。

それでも、群れの中で子犬を育てることは、多大なメリットがあると判断しました。

子犬は目に入るもの、

口に入るものは何でも噛みます。

その中で色々と学習していくのです。

紐なんかよりもっと面白いのがあるよー。

初めて見るおもちゃ。

リーダー犬の琥二郎にご挨拶。

琥二郎の後にリーダー犬となるみやびにも挨拶。

挨拶なのかそれ?

絶対的な強さを持ったみやびにべったりになっていくバレン。

チョコはふーん。って感じ笑

少しずつ慣れていこう。

ルンルン。

チョコ、凛々しい写真が多いなw

最初はよちよち歩きだった子犬。

遊びもなんだか軟体生物のようにふにゃふにゃです笑

時には、

ベッドから落ちたり笑

ものすごい勢いで成長していく子犬たち。

遊んで、

寝て、

遊んで、

寝る。

暴れて、

先輩に甘えて、

時にはしつこすぎて叱られて、

それでも、やっぱり先輩は優しく見守ってくれます。

UGの子犬たちは合宿組の子達のよき友にもなります。

合宿組のミックス犬のまろんちゃんとはすぐに仲良しになりました。

合宿に来る子犬たちは、早くに親兄弟から離され、犬同士の挨拶や遊び方を知らないままにペットショップからお客様のお家に行き、そこでこんなはずでは無かった・・となった子犬たちが多いです。

そんな子達の気持ちを受け止めるのがUGの子犬なのです。

UGの子犬もたくさんの犬と会って、たくさんの経験を得て育っていきます。

合宿に来る子犬たちは、桁外れの強さを持っていたり、それにお客様が付いていけなかったり、間違ったしつけ方法で、余計に関係がぎくしゃくしてしまったり。

これも何度も書いていますが、子犬は噛んで、走るのは当たり前のことで一概に問題行動とは呼べないのです。

子犬は1頭だけではなかなか育ちません。

良い子にしなきゃ!!と育てる前に子犬の楽しみ、喜び、寂しさ、悲しさも人が理解してあげないと、子犬の心の行き場は無くなってしまいます。

この時、合宿に来たまろんちゃんもすっかりバレンやチョコと仲良くなって、

みんなでお昼寝。

UGの子犬は合宿の子犬たちの初めての友達でもあるのです。

バレンも合宿組の子犬たちと遊ぶことで成長していきます。

みんなで一緒に成長しよう。

見守ってくれる先輩がいるから思いっきり暴れられます。

サッカーも独りでやるより相手がいた方が楽しいです。

遊び終わったらまた一緒にお昼寝。

ねーねー、遊ぼうよー

ねーねー

バレン、拒否られる笑

バロンのことも最初は怖がっていましたが、すぐに頼れる先輩だとわかりました。

どんどん体の使い方も上手になっていきました。

やられて、

やりかえして、遊びがどんどん上手くなります。

色んな種類のおもちゃを用意します。

楽しー♪

ここからバレンは何十頭もの合宿組の子犬の友達であり、兄弟であり、先輩になっていきました。

桜が散り始めた頃、チョコは名前をまめと変え、卒業してお客様のお家へと旅立っていきました。

別々の道をいく2頭。

そしてリーダー犬の琥二郎も卒業。

えー、琥二郎兄さんもいなくなっちゃうのー?

いかないでー、頭ぽこぽこしちゃうぞ!!

この頃にバレンはお調子もののマイペースな子だということがわかってきました。

写真撮るときも1頭だけ寝転ぶバレンw

プリンターが壊れてスタッフが困っているのに、そのプリンターの上で休むバレンw

あのさー。邪魔なんだけど笑

マイペース。

おい、そこで寝るな。

てんちょーっていちいちうるさいよねー。としぶしぶ降りるバレン。

うひょー、たのしー♪

でも、楽しいことばかりではありません。

さらにその数か月後には、姉として慕っていた琥二郎からリーダーの座を引き継いだ女帝みやびも卒業。

妹分のしずくとともに、群れもまとめることになりました。

強すぎたみやびの影に隠れるような存在だったバレン、6代目のリーダー犬に就任。

バレン、まとめる気はほとんどなく、みやびの意思を引き継いだしずくが台頭してきたのを見るや、えー、じゃあ、しずくに任せよーっと。という体たらく笑

歴代のリーダー犬の中で一番やる気なしっ笑!!

てへっ♪じゃねーよ笑

しずくの助けを借りながら、

群れをまとめるバレン。

カリスマ性のあるリーダーというよりは、優しくていいお兄ちゃんという感じ。

バレンのことがみんな大好き。

バレンは厳しさはありませんが、結局は後輩の相手をたくさんしてくれました。

でも、それでもいいのかなとも思いました。

なんか楽しそうだし。

どんどん後輩が増えていきました。

1歳を過ぎても甘ったれ。

とにかく甘えるのが大好き。

そんなバレンでしたが、ある日、目に傷が付き、搔かないようにエリザベスカラーをし、UGに来てから初めて群れから離れて安静にして過ごすことに。

UGに来てから、常に群れの中にいたバレン。

それが、同じ空間にいるのにみんなと一緒にいれない孤独感。

当たり前だと思っていたことが当たり前ではないと知ったバレン。

この体験はバレンにはとても大きいものだったようです。

エリザベスカラーをするのにモサモサの毛が邪魔で、頭の毛をスッキリカットして群れに再び戻ってきたバレン。

今までとちょっと雰囲気が変わりました。

大人っぽくなりましたね。

バレンのことが大好きなトイマンチェスターテリアのノイヤールくん。

めんどくせー!!といいながらも相手をするバレン。

久しぶりの独りではないお昼寝。

前よりもより後輩の相手をするようになりました。

みやびに似ている黒プーのからんちゃんが社会化お泊りに来ると、めちゃくちゃ嬉しそうな顔をするバレンw

わかりやすい男です笑

そんな平和な日々。

トイプードルのルゥモモのお母さんから渡されて、突如始まった「被り物部」に駆り出されるバレン。

マリンルックバレン♪

時にはサメになったりー、

やる気のないバナナになってみたりー笑

そんなある日、そんなバナナ(馬鹿な)!!という超絶くだらないオヤジギャグが飛び出すくらいの日がやってきました。

ある日かかってきた電話。

お友達のトリミングサロンから紹介されたというお客様からの電話でした。

子犬を飼いたいという知人がいて、いつも愛犬を出しているサロンのトリマーさんに聞いたらUGを紹介された。という内容でした。

うん?なぜ当人でなく、知人であるお客様が連絡をしてきているのか?

子犬は今はUGにいないし、どなたにもUGの犬はお渡し出来ません。一度、お客様も交えてお話しさせてください。と電話を切りました。

そして、お客様と初対面の日。

お電話をいただいたお客様と、犬を家族として迎えたいというお客様とお嬢様がご来店されました。

話しを聞くとお嬢様がどうしても犬が欲しいとのこと。

「正直、お嬢様よりもお母さんがお世話できるか?子供が犬を欲しがるのは当たり前です。実際にお世話やしつけをするのは親御さんにしてもらいますが、そのあたりは大丈夫なのでしょうか?」と出会って早々に、いきなり犬を飼うことへの覚悟を問う店長。

そこで、お電話をくださったお客様が経緯をお話ししてくださいました。

お客様もご自身でトイプードルのティナちゃんを飼っていて、ある日、お客様から子犬を飼いたいと相談されたものの、そのときはまだお嬢様が小さく、あなたはまだ犬の世話はしきれない。もう少し待ちなさいとお話ししたそうです。

素晴らしいですね。

欲しいからとすぐに買い与えず、今日までティナちゃんや周りの犬を通して色々と勉強してきたようでした。

「ちょっとお散歩に行ってみますか?」とお嬢様にリードを持たせて、私が教えながら歩いてみることに。

落ち着いている・・

すごいな。

バレンもスッと馴染んでお嬢様の横をとことこ歩きます。

この時にこのご家族やティナちゃんのお母さん含め、犬に対してとても真剣なのだということがわかりました。

この日、バレンの卒業が決まりました。

お客様の要望で、卒業する前にご自宅にお邪魔させていただき、実際にバレンがお家に来た時にどう暮らせばいいのかをアドバイスさせていただきました。

初めて来た場所に戸惑うバレンでしたが、ティナちゃんママの手作りのおやつに即座に反応し、テンションが上がりました笑

ご自宅やその周りの環境は素晴らしく、バレンが卒業した後も楽しく暮らせることがわかりました。

今までたくさんの仲間に囲まれてきたバレン。

名前はバレンからレンに変わりました。

何度も、名前は変えていいんだよ?と言いましたが、お嬢様が頑なにレンでいいです!!と言い、レンになりました♪

卒業の日まで、お客様はレンを迎える準備をし、レンはいつものように後輩の相手をする日々。

そして、卒業の日。

イエエエエエエエエエエイッ!!

朝ご飯だぁーっ!!

センチメンタルな店長をよそに朝からテンション爆上げのレン。

サンシャイン池崎かお前は。

でもなー、この笑顔が最高なんだよなぁ。

これも今日で最後なのか・・

寂しくなるなぁ。

お客様がお迎えにきました。

卒業までに何度も会っているので、レンもこの人たちとよく会うなぁ。と不思議そうな顔をするものの、嬉しそうな顔をしていました。

そして、卒業に私も同行させてもらうことになりました。

お家に着いて、レンのケージやトイレを確認させます。

確認終了。

!?

いきなりボールで遊び始めるレン。

卒業前に一度来たことで、すんなりと慣れることが出来たようです。

それにしても馴染みすぎだぞ、レンよ笑

でも、これから毎日楽しいね♪

なになにー

またティナちゃんママの手作りおやつがもらえるとわかってテンション爆上げのレンさん。

絶対に似合うと思って、プレゼントしたアロハシャツ。

アロハシャツを着ながら、大好きな鹿の角をかじる。

すんなり馴染みそうで安心しました。

いい笑顔だなぁ。

落ち着いてきたかな?

だいぶはしゃいだもんね。

先輩のティナちゃん。

ティナちゃんと、ティナちゃんママがいるから安心です。

ベテランの先輩は心強い味方です。

目がしょぼしょぼ。

うとうと。

落ち着いたね。

もそろそろお店に戻らないと。

お昼寝から復活し、最寄り駅までお見送りしてくれました。

こうしてレンは最高のご家族に出会い、UGを卒業していきました。

卒業後もレンはカフェに行ったり、ドッグランに行ったりしているようです。

お客様から送られてくる写真の中で、ドッグランの写真が、レンだけなぜかリードに繋がれていて、なぜレンを放さないんですか?とお客様に聞いたら、「うちの子が店長さんに絶対にレンのリードは放しちゃいけないって言われた。って聞かなくて・・笑」

うん、ドッグランでは放していいよー笑

むしろ走らせてあげてー笑

でも、そういう真剣なところを見て、逆にお渡ししたいと思ったので、とても嬉しくなりました。

何回も通って合格しないと譲ってもらえないかもよ。と口うるさい私の性格を知りつつも紹介してくださったトリマーさん。

レンを可愛がってくださり、ティナちゃんとともにお客様やレンをフォローしてくださるティナちゃんのお母さん。

ティナちゃんママがいるから安心できます。

こんなに口うるさいペットショップでなくて、他のお店でも子犬は飼えたはず。

成犬じゃなくて、子犬という選択肢もあったと思います。

たくさんの選択肢の中からUGを、そしてレンを選んでくださったお客様に感謝の気持ちでいっぱいです。

本当にありがとうございます。

最後に、レンがいい。レンじゃなきゃ嫌だ!と言ってくれたお嬢様もありがとう。

内心、子犬じゃないから嫌だ。小さな子犬じゃなきゃ嫌だ!って言うんじゃないかな思ってたんだ。

でも、すぐにレンと仲良くなって、お散歩で一緒に歩いてるのを見たときに、あ、バレンはこのお家に行くんだって思ったよ。

それくらいに自然だった。

これからレンとずっと一緒だね♪

お姉ちゃんの横に、いつもレンがいて笑ってくれてたら嬉しいな。

レンを弟にしてくれてありがとう。

レンのこの笑顔が大好きです。

特にお散歩の時のこの嬉しそうな顔が最高に好きです。

レン、良かったね。

毎日、楽しいでしょ?

お母さんが涼しくなったらレンと一緒にお泊り出来るとこに行きたいって言ってたよ♪

楽しみだね。

お父さんも優しいからたくさん甘えられるね。

今日もいい天気だからルンルンでお散歩に行ったかな?

レンと一緒にUGに来たまめはすぐに卒業しました。

早く卒業が決まる子もいれば、長くUGにいる子もいます。

レンは1歳8か月までUGにいて、時間はかかりましたが、お客様の家族になる運命だったのだと思います。

これからも妥協せずに子犬をお客様にお渡ししていきたいと思います。

人と犬の幸せの架け橋にUGがなれたら嬉しいです。

今回も素晴らしいご縁に感謝します。

レン、本当おめでとう。

そして、ありがとう。

これからもよろしく。

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