
涙やけとは
涙やけとは目頭から目の周り、鼻にかけて発生する被毛の変色の事を言います。
涙やけになりやすい犬種
目が大きく、鼻が短い(短頭種)犬種が涙やけを起こしやすいと言われています。また、同じ犬種でも、毛色が赤褐色に近いと涙やけが目立ち辛く、ホワイト(白)やクリームは涙やけが目立ちやすいということもあります。
プードル、チワワ、ポメラニアン、シーズー、パピヨン、マルチーズ、キャバリア、コッカー・スパニエル、ビションフリーゼ、ペキニーズ、パグ、ブルドッグ、等
涙やけの原因
涙やけは、「流涙症(りゅうるいしょう)」が原因です。流涙症は、涙があふれるように出る症状のことをいいます。流涙症になる要因は、以下の3つのうちのどれかになります。
- 涙が過剰分泌されている(分泌性流涙症)
- 涙が正常に排出されない(閉塞性流涙症)
- 上記2点の複合要因
涙が過剰分泌されているケース
涙が過剰分泌されている場合の原因は以下の様なものがあります。
- 結膜炎、角膜炎、眼瞼炎等の眼疾患
- 目への刺激等による涙の過剰分泌
- 涙が目の周りの毛を伝って流れでてしまっている場合
結膜炎、角膜炎、眼瞼炎等の眼疾患
結膜炎や角膜炎、眼瞼炎等の目の病気のより涙が過剰に分泌されている場合、過剰に分泌された涙が溢れ出て涙やけを引き起こしている場合があります。目の周りを異常に気にしていたり、目ヤニが出ている等、普段と違う状態が見られている場合には、これらの病気の疑いがあります。
これらの眼疾患を治癒するためには、通院することが必要です。疾患が原因で涙やけが起こっていた場合には、治癒により涙やけも改善されます。
目への刺激等による涙の過剰分泌
まつ毛や毛が目に刺激を与えてしまい、涙が過剰に分泌されている場合にはトリミングを行うことで対処が可能です。
ゴミ等が目に入ってしまっている場合などでも涙が過剰に分泌されますので、犬用目薬を点眼して取り除きましょう。
アレルギーで涙が過剰分泌されている可能性もあります。花粉(いわゆる花粉症)やハウスダストなどに反応して涙が出てしまうケースです。ある季節の時期だけ症状が出ている、外で散歩をしている場合に涙が多く分泌されているというケースではアレルギーを疑う必要があります。
涙が目の周りの毛を伝って流れでてしまっている場合
目の周り(特に目頭)にある毛が、外へ涙が流れでてしまう通り道になっているケースの場合、その毛を取り除くことで改善することがあります。
涙が正常に排出されていないケース
涙が正常に排出されていない場合の原因は以下の様なものがあります。
- 鼻涙管狭窄、鼻涙管閉塞
鼻涙管(びるいかん)とは、余分な涙を目から鼻に流すための管のことです。本来、涙は蒸発や鼻涙管を通って調整され、外に流れ出ることはないように調整がされるのですが、この鼻涙管が細くなったり(狭窄)、詰まったり(閉塞)すると、涙が溢れてしまうことになります。
先天的に鼻涙管が狭かったり塞がれている場合、それを改善するためには手術をしなければなりません。鼻涙管に異物が詰まっている場合に、鼻涙管を洗浄して通るように処置をするケースがありますが、鼻涙管洗浄に関しても麻酔をかける場合が多いので、涙やけだけが理由で手術や洗浄を行うことについては、そこまでする必要があるのかどうかよく検討をする必要があるでしょう。
鼻涙管をマッサージすることで、管を広げる事が出来るケースがあります。鼻涙管は目頭にあるので、目に指が入らないように気をつけて優しく揉むように目頭から鼻にかけてマッサージをしてあげましょう。
涙やけ部分のお手入れ方法
涙やけ部分の洗浄方法としてはぬるま湯を含んだティッシュやガーゼで優しく拭いてあげるのが良いと思います。目に指などが入らないように注意しましょう。涙やけの有無に関わらず長時間湿っている毛には雑菌などが繁殖しやすいので、乾いたティッシュやガーゼでまめに拭いてあげることをお勧め致します。洗浄はあくまで今ある涙やけ部分への対処法なので、根本的な解決にはなりません。
ホウ酸水は安全か?
よく涙やけにはホウ酸水が有効と言われますが、個人的にはお勧めできません。ホウ酸の経口中毒量は成人で1~3g、致死量は15~20g(※1)と言われており、犬(体重3kgで想定)であれば体重換算で推定される経口中毒量が約0.05g~0.15g、致死量が0.75~1gとなります。以前は赤ちゃんのおむつかぶれなどにホウ酸水が使用されていたこともあったようですが、現在はホウ酸中毒のリスクから推奨されていません。
※1 財団法人 日本中毒情報センター 保健師・薬剤師・看護師向け中毒情報【ゴキブリ団子(ホウ酸含有剤)】 Ver.1.02
犬に使用した場合、目からたれた液を舐めてしまったり、目周辺に傷があった場合にその傷から吸収される可能性もあります。涙やけの跡自体は健康上問題のないものですので、あえてホウ酸水を使うリスクを取る必要はないのではと思います。
ゴキブリに使用するホウ酸団子の影響で、ホウ酸に強い毒性があるのではと言われることもありますが、浄化器官である腎臓を持たない生物にとってホウ酸は劇薬ですが、腎臓を持つ生物にとっては持たない生物ほどの毒性を持ちません。
重曹は安全か?
ホウ酸水と同様で重曹も涙やけ部分を拭くのに良いと言われています。ホウ酸と比べると重曹のほうが毒性は低く、食品添加物としても使われているので比較的安全性は高いと考えられますが、重曹(炭素水素ナトリウム)は塩分を多く含んでいるので誤飲には十分注意が必要です。病気等で塩分を制限しているケースでは特に気をつけて下さい。
また、一部で重曹で皮膚が溶ける等言われることがありますが、重曹は弱アルカリ性で皮膚が溶けたりはしませんのでご安心下さい。
涙やけを改善するためのポイント
涙やけの原因は様々あり特定が難しいので、愛犬の様子をよく観察して原因を特定する必要があります。まず原因特定をすることで、適切な対処法を見つけることが可能になります。
基本的なケア方法としては、先述しましたがこまめに涙を拭きとってあげることが挙げられます。単純ですが、見た目を改善するのに効果があります。ウエットティッシュで拭き取る場合には犬に安全なものを使用しているタイプを選んであげて下さい。
また、涙やけとドッグフードとの関係性は科学的に解明されていませんが、鼻涙管が原因の場合には、与えるフードを変えることよって涙やけが改善している例が多くあるので、与えているフードを変えることもひとつの選択肢になってくると思います。余談ですが、体質改善により涙やけが改善した場合、よだれやけについても同時に改善されるケースが多いです。
下記の条件に当てはまるフードがおすすめです。
- 魚や鹿肉などの低アレルゲン食材が主原料に使用されている
- ある程度のタンパク質が含まれている(乾物換算値で22%以上がおすすめです)
- 低温調理されている
- オメガ6とオメガ3のバランスが良い(これは個々の犬によって最適なバランスが異なると思います)
- プロバイオティクスが使われている
- 免疫力を維持する効果があるハーブ(ガーリック、しょうが等)が使われている
- 合成保存料、着色料が使用されていない
涙やけが改善されるということは、そのワンちゃんに合ったフードだということで、健康へもプラスに働くと思いますので、色々なフードをためしてみることをお勧め致します。
手前味噌で大変恐縮ですが弊社オリジナルの国産ドッグフードは、上記の条件を全て揃えております。元々私の愛犬も涙やけがありまして、その涙やけを解消することも目標のひとつとして開発したフードです。私の愛犬に与え続けてみましたが、与えてから数日で涙を拭いたガーゼの赤みが減り、徐々に染まっていた赤い毛が伸びて、その部分をカットしていくことで時間を掛けて綺麗になっていきました。ワンちゃんによって合う合わないはもちろんあると思いますが、涙やけに悩まれている方は御利用ご検討下さい。
すでに赤く染まってしまっている毛は元に戻らないので、綺麗な毛の伸びて目立たなくなるまでは時間がかかります。試して頂く場合には、フード以外のおやつ等はしばらく与えず、フードのみで経過を観察することをお勧め致します。そうでないと、涙やけを起こしている原因がフード以外の場合には、フードを変更したとしても効果が望めない可能性があるためです。