自分のしっぽを噛みちぎったチワワの子犬。

久しぶりのブログとなりました。

カウンセリングのお客様に当店を知ったきっかけは何ですか?とすると、ほとんどのお客様がブログと仰るので、皆様の助けになるのであればもっとブログを書くべきなのですが、カウンセリングなどに追われてなかなか書けておりません。

Instagram、Facebookはほぼ毎日更新しており、ブログに近い内容の物もございますので、そちらからご覧いただければと思います。

それらのアカウントを持っていなくても、下記のホームページの電話番号の横にあるFacebookやInstagramのアイコンを押してもらえれば見ることができます。

UG DOGSアトラスタワー中目黒店

さて、本題に入ります。

別にシリーズ化しているわけではないのですが、前回に続き、今回の子も自分のしっぽを食いちぎってしまった子犬の記事です。

スムースコートチワワのりおくん、男の子。

生後11か月。

最初にお問い合わせをいただいたのは昨年の10月でした。

最初は社会化お泊りとカウンセリングのお問い合わせでした。

しかし、お客様のご事情で、次にご連絡をいただいたのは6月でした。

後で、すぐに来れない事情があったと知りました。

スムースチワワは自分を持っていて、生後4か月でも強い子はめちゃくちゃ強いのです。

そして、しっぽ追いをして出血をしているというりおくん・・

昼夜問わず吠えまくり、寝れないために、病院から抗うつ剤を処方されていると。

その後、しっぽを食いちぎってしまい、その治療が終わった1カ月後にUGに来ることになりました。

しっぽを食いちぎったスムースチワワ。

どんだけやべーやつが来るんだろうと思いました。

しかし、お客様の緊張が強いのは手に取るようにわかっていたので、そこは絶対に緩めてあげたいと思いました。

そして当日。

この時、りおくんを見て店長はやっちまったなと思いました。

この子は頭がおかしいどころか、頭が良すぎて、でも甘やかされ、必要以上に気を使われ、ルールが無いに等しいか、曖昧なために自分で考え、りおくん自身で決断していくしかなかったのだと見てすぐにわかりました。

今までに薬を処方されている子をカウンセリングしてきましたが、大体は頭がおかしいというよりは頭の回転が早すぎて、人間側からすると目が合わない、落ち着きが無いとすぐに問題犬のレッテルを貼られることが多いですが、むしろ人間側が理解できていないだけだったりします。

確かにそういう子は普通のやり方では難しいことも多いのですが、理解してあげれば逆に激変する子も多いです。

りおくんも落ち着きが無いですし、鳴きまくるし、顔を触ろうとすれば噛むしで、普通に考えたらやべーやつなのですが、理解されていない、上手に導いてくれる人がいないだけだと思いました。

ここ1年で、500頭以上のカウンセリングをし、その約半数を預かっている店長は見ている犬の数が違います。

最初に合宿をやり始めた時よりも、時が経てば経つほど犬を深く知っていけているのがわかります。

この子はいける。

絶対にやる。

お預かりすることになりました。

しっぽを食いちぎって可哀想だとは思いますが、かなり甘やかされいるとも感じました。

初日からガンガンいきます。

それに対してブチ切れて発狂するりおくん。

噛めばどうにかなると思ってる?

みんながそれで引くと思わないでほしい。

クレイジーなUGへようこそ。

君の知らない世界を見せてあげる。

本当に怖がりで繊細な子であればそこまではしません。

でも、りおくんはやれるんです。

いい目をしている。

そして、お客様よりも私はこの子を信じます。

初日終了。

2日目。

店長の膝に避難しながらも、群れを観察するりおくん。

日中はエリザベスカラーを外すことにしました。

群れの刺激が強く、しっぽ追いどころではありません。

4日目にはUGの子犬のトイプードルのジーニーや、社会化お泊り組の黒柴の熊五朗くんに興味を示すようになってきました♪

私だけでなく、スタッフにもなつくようになりました。

5日目にはエリザベスカラーの付け外しで全く怒らなくなりました。

なかなかしなかった伏せも一発でするようになりました。

エリザベスカラーの付け外しで噛まれて血が出たり、爪を割られたりしていたお客様は驚愕。

私だけでなく、スタッフでも噛むどころか暴れることもありません。

初日は余裕が無いのと、人は噛めばどうにかなると大暴れしていたりおくんは、常に緊張してオラつくよりも嫌な時もあるけれど、じっと我慢していればすぐに終わることもあると学習してくれました。

やはり、おバカなどではなく、やれる子でしたね。

頭が良い子ほど、遠慮せずにこちらからどんどん仕掛けるべきです。

皆様、知らず知らずのうちに子犬の術中にハマり、うちの子はできないと思い込んでいたりするわけです。

店長はそういう壁をぶっ壊すのが大好きです笑

お客様だけではなく、カウンセリングをしていて思うのは、勝手にうちの子は怖がりだとか、叱ったらダメになるとか思い込んでいるお客様が多いなー。ということです。

店長はドッグトレーナーではありませんが、販売員としての長いキャリアと経験があります。

全く叱らないままお家に帰る子もいれば、バチバチにやる子もいます。

やり方は一つではないのです。

いかにフラットに、その子を見極めることができるかが大切だと思っています。

6日目、分離不安の傾向が強く、犬だけにすると吠えることが多かったりおくんは吠えることがかなり減りました。

いつも思いますが、たった数日で雰囲気や表情が変わりますね。

最初は嫌だった他の子とお散歩に行き、

お散歩で自信を付け、

脱力で力を抜く練習をしたり、UGに来るまでは小さな世界のわがまま王子から、

店長を始めとする群れのメンバーに会い、世界が拡がりました。

病院の先生からは、群れに入れたらストレスで無理だと思うと言われたそうです。

ストレスがかかるのは百も承知です。

でも、りおくんには乗り越える力があるのは店長は会った瞬間にわかりました。

人間もストレスゼロで生きている人などほとんどいません。

犬もまた然り。

気が強くて頭の良い愛犬に忖度しまくって、気を使い、飼い主にたくさんのことをしてもらっているのになぜかすぐに可哀想だとまた忖度されて、どんどん世界が小さくなっていくパターンの多いこと。

りおくんは子犬でありながら、薬を飲むまでになってしまいました。

なぜ、最初のあの頃にもっと強くUGに来てくださいと言わなかったのか?

そうしたらお客様もりおくんも、もっと早く楽になったのに・・・

店長、反省です。

それでも、お客様は過去は変えられないので、これからの未来を楽しんでいきたいです。と仰ってくださいました。

そしてお迎えの時。

大好きなお母さんたちに会えてホッとした表情のりおくん。

ボクねー、頑張ったよ。

お客様にこれからの事を細かくお話ししました。

お客様とりおくんの生活はこれからです。

しっぽ追いを完全に無くすことは難しいかもしれません。

例えば柴犬などはしっぽ追いをする個体が多い犬種ですが、皆様、受け入れながら上手に付き合っています。

いつも書いていますが、その行動を問題行動という前に、やることをやっているのか?

刺激は足りているのか?

子犬らしく遊んでいるのか?

小さな月齢で親兄弟から離され、お家が決まってもそこに犬がいなければ目の前にある人の手や家具を噛むのは当たり前のことです。

ずっと部屋に出していて、トイレを覚えない。

我々、人間もたくさんトイレの失敗を赤ちゃんの時にしているのでは?

付きっ切りで教えなければ覚えられないこともあります。

その個体差や、犬種で覚えるまでに時間がかかる子もいます。

誰にでも愛想よくして欲しい?

逆に、お客様は人見知りとか全くせずに、外に出て知らない人に挨拶出来てお友達になれるのでしょうか?

遊べるからいい子、遊べないから悪い子ではないのです。

遊びたければ遊べばいいし、暴れたければお家が無理ならUGで暴れればいい。

人間だって、赤ちゃんの頃や子供の頃はギャーギャー騒ぎながら遊んでいるわけです。

なんで犬はそれが許されないのかがわからないんですよね。

メリハリつけて、締めるとこ締めればいいだけなんじゃないかなぁと思うのです。

こうなって欲しいという願望が優先されて、現実が置き去りになってしまったり、ネットや本の情報でわけがわからなくなってしまったり、近所の犬友達の飼い主の方から「1歳になったら落ち着くから大丈夫よ。」という謎の言葉を信じていざ1歳になったらよくなるどころかさらに噛みつきがひどくなってしまったり。

もちろん、1歳になって落ち着く子もいますが、子犬の頃にやらなきゃいけない子犬はたくさんいます。

子犬はファンタジーではありません。

その子によって個体差もあります。

子犬の子育てで悩んでいたり、このトレーニングであっているのかわからない。というお客様は是非、私のカウンセリングを受けてほしいです。

りおくんがもしUGに来ていなかったら、あのまま狭い世界で薬を飲みながら、この子はこういう子なんだ。と負のスパイラルにはまりながら飼われていたらと思うとゾッとします。

そして、りおくんのようなケースで理解されていない子犬や、愛犬を誤解している悩める飼い主の方もたくさんいると思うと胸が苦しくなります。

最初から何でも出来る子犬ばかりでも無いですし、不器用だったり、誤解されやすい子犬がいます。

これからも、私でお役に立てることがあれば全力で飼い主様とその愛犬のために頑張りたいと思います。