今回、合宿に来てくれたのはチワワのマロくん。
「自宅内のみで噛む」ということで、カウンセリングに来てくださいました。
お話しを聞くと、外であれば噛まないが、家の中だと噛んで、普通に触れないとのこと。
店長「お家に来客があったときなどに噛むのではなく、ご家族に噛むんですか?」
お客様「はい。」
「トリミングや動物病院などではどうですか?」
「一切噛まずに大人しくしています。」
「でも、お家の中では噛むんですね?」
「はい。」
うーん。
前から当ブログで書いている通り、チワワは家族には深い愛情を見せる犬種です。
飼主には噛まないけれど、他人は噛むというチワワは珍しくありませんが、マロくんはそれとは逆のパターンです。
「でも、他の人を噛まないのであれば、ご家族で噛まれないように上手に付き合っていけばいいのではないでしょうか?これもブログで何回も書いていますが、チワワはこだわりが非常に強く、チワワの合宿は、毎回ギリギリの線をいっています。成功するとも言えません。」とお伝えしました。
すると、お父さんが「店長さん、この動画を見てください。」と差し出されたスマホには、軍手をしながら恐々とマロくんを触る息子さんの姿がありました。
「軍手を3重にしないと、本気で噛んでくるので触れないんです。」とお父さん。
「ちょっと待ってください。この動画はマロくんが怒っているときに触ろうとしているから噛まれているんですよね??こういうときは触らないほうがいいですよ。危ないですから。」と私。
「いや、常にこうなんです。」
「え?怒っているから触れないのではなくて、常に素手で触れないんですか?」
「はい。息子2人は素手でマロに触れません。」
自分の家族の愛犬に素手で触れないってどういうこと…?
先程の動画が脳裏にこびりついています。
家にいる愛犬にまともに触れない…
店長「合宿、やりましょうか?愛犬を素手で触れないなんておかしいと思います。」
お母さん 「少しでも可能性があるのなら、お願いしたいです。」
お父さん「なぜこのようになったのかを書き出せるだけ、書いてきました。」とご家族の情報、マロくんを飼った経緯、これまでの育て方、どういう問題があって、これからどうしていきたいのかがびっしりと書かれた紙を渡されました。
これを書くのにどれだけの時間がかかったのだろうと思うくらいに、詳細に書かれた紙を見て、お客様の本気で切実な思いが痛いほど伝わってきました。
君がなぜ家族を噛むのかを、1週間かけて教えてもらうね。
このままの状態が続くと、家族もマロくんもこれからさらに辛くなるから。
お散歩では、他の犬と会うと、逃げるように避けるマロくんは、当然群れの中に入れられても、他の犬達と挨拶は出来ません。
部屋の隅のここが、マロくんの定位置になりました。
ここからほとんど動けません。
でも、これも想定内です。
犬というものを、マロくんが怖くて動けなくても、2~3日かけてでもじっくりと観察させ、少しでも理解してもらいます。
合宿が終わっても、他の犬と遊べるようにはおそらくならないでしょう。
子犬のうちの犬同士の関わりが圧倒的に不足しているので、まずは犬に慣れること、出来たら挨拶が出来るようになることからです。
多くは求めません。
同じ合宿組のチワワのシェリくんが挨拶に行きます。
シェリ「初めまして。あんまり見ない顔ですね。こんちはー。」と軽いノリで近づくシェリくん。
くんくん。
とここで、マロくんが「ウゥ」、と唸りました。
「シェリ、他の犬が苦手だから。まだ遊べないから離れてもらっていいかな?」
シェリ「はーい。」
犬に慣れるのはかなり時間がかかりそうです。
お父さんいわく、しっぽが常に下がっていて、きょろきょろとしながら散歩に行っているという、お散歩に行ってみることに。
確かに、きょろきょろしてますね。
でも、お散歩の途中で気が付きました。
ある条件を満たした人にものすごい反応を見せることに。
それは、ご家族に似た方、家族連れを見ると、必死にそちらの方に行こうとします。
「マロ、お父さんじゃないよ。1週間経ったら必ずお迎えに来るから。頑張ろうな。」
この子はご家族のことが大好きなのです。
おそらく、噛みたくて噛んでいる訳ではないのです。
ならなぜ、大好きな家族を噛むのか?
噛まなくてもいいようにしてあげたい。
店長のやる気の炎はこの寂しい後ろ姿によって、さらに燃え上がりました。
駅前でも、私のことは眼中にありません。
視線は常に家族に似た人をひたすら探しています。
今日は散歩しても意味がないと判断し、お店に戻りました。
そして、今まで家の中で家族にしか噛んだことがないマロくんがこのあと、私に襲いかかってきました。
襲いかかるという言い方は良くありませんね(^_^;)
なぜ噛むのかをまずは知りたくて、部屋の隅で固まっているマロくんのそばにずっといました。
数十分ほど経ったでしょうか?
私が持っているスマホに噛み付いてきました。
かなりの力です。
これを家族にやっているのか…すごいな。
最初はスマホに対して反応しているのかと思いました。
お客様に連絡すると、「家の外で他の人に噛んだ事なんてないのに・・でも、スマホに今まで噛み付いたり、反応を見せることはなかったです。」
1度、外に連れ出し、さっきと同じようにしてみました。
噛まない。
なるほど。
「室内」で「人」が「近づきすぎる」という条件が揃うと噛み付いてくるということがわかりました。
それにしてもさっきの襲い方はただの威嚇ではなく、本気で噛みにきていました。
あれだけの強い意志で噛むケースだと、本当の噛み犬であれば、外でも少しでも嫌なこと、圧力を感じたならば噛み付くはず。
でも、本当に外に出ると何もない。
不思議です。
まだ日にちはあります。
もう少し様子を見ることにしました。
午後には、一瞬でしたが他の犬の匂いを嗅ぐことが出来ました。
攻撃モードが少し落ち着きましたが、触らせるけれど、緊張しているのがわかります。
スタッフも触れますが、明日には触れなくなるかもしれない。
そうなっても不思議ではないくらいにピリピリとした空気でした。
初日終了。
2日目。
おしっこも、ご飯を食べるのも、他の犬や我々がいない時に、隔離したスペースでないと出来ないマロくん。
みんなと一緒にいても定位置の部屋の隅で固まっているだけなので、天気もいいのでロング散歩に行くことに♪
目黒川沿いを、恵比寿方面へ。
賑やかな中目黒駅からたった数分歩いただけで鳥がいるというのは毎回、ここを通るたびに不思議な気持ちになります(*^^*)
お散歩の時間はたっぷり取ったのでゆっくり、のんびりお散歩に行きます。
恵比寿ガーデンプレイス。
思ったより、全然スムーズに歩けますね。
色んな景色を見て、それらをクリアし、自信を付けさせます。
そのまま降りて、恵比寿駅の方に行こうかなと思いましたが、さすがに刺激が強すぎるかなと思い、Uターンして、恵比寿のオフィス街方面へ。
途中、お店の前に柴犬の置物がありました。
可愛い♪
「置物だよ!本物の犬じゃないよ(笑)」と言っても、ビビリまくるマロくん(笑)
そんなこんなで代官山の路地裏へ。
代官山の駅も通りすぎて、人混みにもどんどん慣れてきました。
ゆっくりと2時間ほどかけてお散歩終了。
お散歩に行き、マロくんからは攻撃性であるとか、わがままであるとか、そういうことは感じず、怖がりだけれど、繊細で優しい子という印象を受けました。
リードを通して、マロくんと繋がった感覚がありました。
本当に言うことを聞かなかったり、わがままなチワワであれば、もっと立ち止ったり、こちらの様子を見つつ、警戒しながら歩くものです。
でも、そんなことはなくゆったりとした空間は確かにそこにありました。
緊張は強いけれど、やっぱりこの子は悪い子ではない。
そう確信しました。
すぐにお客様にそのことを連絡しました。
お客様は喜んでくださいました。
私はお客様に大体ですが、このような文章で連絡しました。↓↓↓
「昨日、20時に閉店してから2時間くらい、お客様から頂いた紙を見ながら、なぜ噛むようになってしまったのか?
合宿が終わった後に、ご家族の皆さんが何をするべきなのかをひたすら考えました。
そして、昨日の夜の様子、今朝の様子、先ほど行った散歩で、確信しました。
マロくんは生粋の噛み犬ではないということに。
本当にそうであれば、やはりトリミングや動物病院でも噛み付くはずなのです。
でも、噛むのは家の中でご家族にだけ。
合宿から帰ったら、マロくんに必要以上に触ったり、声をかけたりするのを控えましょう。
昨日、他の犬をケージで寝かせ、マロくんと私だけの空間に閉店後に2時間一緒にいましたが、良い意味で自立心があり、時折、私に甘えには来ますが、ほとんどの時間は、私と距離をとって休んでいました。
疲れているのもあったかもしれませんが、合宿の初日は不安だからこそ、離れるのを嫌う犬が多いものです。
あえて帰るふりをして、鳴いたりするかな?と様子を見ましたが、不安そうにはしますが、落ち着いてすぐに休んでいました。
もしかしたら、ご家族の気持ちが、逆にプレッシャーとなってマロくんに伝わっているのではないかな?と思いました。
マロくんをどうにかしなきゃ!と焦る必要もなければ、必要以上に構うこともありません。
「共存」するという意識でこれからマロくんと過ごしてもらいたいのです。
時には、マロくんが甘えてくることもあるでしょう。
その時は昨日、お客様に触り方の動画を送った様に、しつこくしないで、ポンポンと軽いタッチで触ってあげたらいいと思います(*^^*)
それでも、遊びたそうにしてる、ストレスが溜まっていそうだと思うなら、お散歩に行ってあげてください。
お散歩での刺激は脳に働きかけ、心地よい疲れをもたらしてくれます。
力を抜いてください。
焦らないでください。
マロくんを信じてあげてください。
そういう日々が続けば、触り続けて噛まれることはないわけですから、「噛まなかった」という成功体験を積み重ねることが出来ます。
ご家族の皆様も、最初はもっと触りたい、撫でたいと思うかもしれませんが、チワワでも自分の時間が必要な子もいます。
時間はかかると思いますが、徐々に、子犬の頃にされた記憶も薄くなっていくでしょう。
大人しくなったかな?と思っても、またマロくんが唸ったり、噛もうとするかもしれません。
その時は感情的にならずに、上手くスルーしたり、お散歩に行きましょう。
見守ること、良い意味で距離をとってもらえればと思います。」というような内容をお伝えしました。
お散歩で心地よく繋がった感覚があったはずなのに、お店に戻ると、
緊張感でいっぱいになります。
これ以上近寄ると飛び掛ってきます。
ご飯も思ったよりも食べないとお客様にお伝えしたところ、「いや、家では食に対する執着はものすごいです。」とのこと。
食べないのかなと片付けようとすると、食器にすぐに近寄って来て、ゆっくりぽりぽりと食べ始めます。
そして、その様子を見つめていると緊張が高まって、攻撃モードに入ります。
もう一つ気になることがありました。
日中はフリーなので入ることはないのですが、ケージに夜に入った後に、扉を閉めようとするとそこに噛みついてくるのです。
それはお家でもやっているとのこと。
なるほど。
ケージ内のテリトリーに入ってきたら噛むぞ、というわけですね。
フードをあえてその場で完食しないのも、私やスタッフ、他の犬が近づいてきたら、おれは今フードを食べているぞ、近寄ったら噛むぞ。という警告に使うための武器として、フードをその場で食べないということがわかりました。
これはよくないですね。
なにか対策を講じる必要があります。
3日目は店長はお休み。
スタッフに様子を聞くと、マロくんに特別な変化はなく、やはり距離が近すぎると攻撃モードに入るとのこと。
4日目。
店長はお休みを頂いたことでリフレッシュできました(^^)v
マロくんもお前どこに行ってたんだよ。というような、少し嬉しそうな顔をしてくれているように感じました。
そして、やはり変化が。
トイレがみんなの前では出来ず、他の部屋で1頭にしないと出来なかったのが、初めてみんなの前で大も小もおトイレが出来ました(*^^*)
何かが変わってきています。
ここから少しずつ表情が変わっていきます。
いつも隅にしかいれなかったのが、少しずつ行動範囲が広がりだしてきました。
この日は祝日。
たくさんの人と犬で賑わう代官山へ。
だいぶいい感じになってきました。
お客様とたくさんのやり取りをする中で、なぜマロくんが噛むようになってしまったのかということがだんだんとわかってきました。
聞けば聞くほど、なぜマロくんにそれをするのか?
なぜ優しいご家族がそのしつけのやり方をチョイスしてしまうのか?
裏目になることばかりをしてしまっていて、裏目シリーズと私が名付けるくらいに、やらなくてはいいことをやっていました。
これは、今回のお客様だけではなく、しつけに悩む飼い主の方も陥っている可能性があるので、お客様も「うちの子のブログを見たしつけに困っている方が、私達と同じような失敗をしないように、詳しく書いてもらいたいです。」と仰って頂いたので、裏目シリーズを詳しく書いていきたいと思います。
裏目シリーズ 其の一
※マロくんが子犬の頃に甘噛みをしたので、口の中に手を突っ込んで叱っていた。
これは昔からよく聞くしつけ方法ですね。
噛む犬の口の中にげんこつを突っ込む。
え?うちの犬それで噛まなくなったよ?と仰る方もいるかもしれません。
このしつけ方法は、飼い主も犬もよい意味で気が強い場合は効果的になることがあります。
例えば子犬が飼い主の手をカプッと噛んだときに「痛い、何するんだ!いけない!」と手を突っ込み子犬が「キャン」と鳴いて、「次もやったらまたやるからね。」という感じの流れで、ハッキリと噛んではいけないということを犬に伝え、上手くいくときがあります。
次は上手にいかない例。
「しつけの本に、噛んだら口の中に手を突っ込んだらいいって書いてあるよ。大丈夫かな・・この子に嫌われたりしないかな?噛まれたりしないかな?」とこの時点で人間が緊張と不安でドキドキしながら、恐る恐る子犬にやったとします。
初めて犬を飼い、何もかもがわからない飼い主の方が、そういうしつけの方法をよくわからないままに、実行したとします。
マロくんは決して気がものすごく強い犬ではなく、これもブログで何度も書いていますが、こだわりが強く、頑固でプライドが高い犬種のチワワです。
当然、子犬のマロくんはいきなりのことで、よくわからないし、怖いし、嫌だ!!と意思表示したのではないかと思います。
それがまた反抗的な態度ととられ、それでも何度も怖い顔をして向かってくる飼い主に唸るようになり、それでも止まらないので、噛むという手段でしかマロくんは表現できなくなってしまったのです。
訓練所にいって、アドバイスをもらったこともあるそうなのですが、そこでも「なめられている。もっと飼い主がしっかりしないといけない。」とアドバイスされ、真面目なお客様は、もっと頑張らなければ!!と唸って、噛むマロくんの目をなめられないようにキツく見つめ、叱るということを、やりたくないけれど、マロくんのためと思って、心のなかで泣きながら叱っていました。
それが結果的には、マロくんを追い詰める悪循環に陥ってしまったのです。
これだけ見ると、やっぱり子犬はきつく叱っちゃいけないんだ、ねじ曲がっちゃう犬になっちゃうんだと思うかもしれませんが、私も子犬を育てる時には子犬によってはガンガン叱ります。
同じ犬種でも、色んな性格、性質があり、このしつけ方で育てれば大丈夫。というものは存在しないと思います。
飼い主の方も気が強くてハキハキしている方もいれば、本当に優しくて、穏やかな方もいます。
そういう方に「犬になめられるな!ビシっとしつけろ。」と言っても無理があると思いませんか?
子犬の育て方にマニュアルなどというものはありません。
繊細で、決して気が強くない、こだわりとプライドがあるチワワのマロくんに、優しくて、一生懸命なご家族が、マロくんのためになると信じて、必死にしつけをやったしつけは全て裏目に出てしまったのです。
裏目シリーズ 其の二
※犬に慣らすためにドッグランに連れていった
たくさんの犬が集まるドッグラン。
ドッグランに行ったらお友達がたくさんいて、楽しいです。
社会化が入っていて、他の犬が大丈夫であればの話ですが。
チワワという犬種は、子犬の頃は他の犬と仲良く遊んだりもしますが、成犬になると、子犬の頃ほど遊ばなくなる子が多いです。
マロくんは、子犬の頃の社会化が残念ながら出来ずに成犬になってしまいました。
そして、犬よりも人が好きです。
そんなマロくんに、犬に慣らそう!と、どんな犬がいるかわからないドッグランに行っても、全く楽しくありません。
犬同士の挨拶ができず、犬同士がじゃれあう姿はケンカしているようにしか見えないかもしれない。
良い犬がたくさんいればよいですが、性格がキツかったり、明らかにぶっ飛んでいる強い子にちょっかいを出されて、お友達を作りにドッグランに行ったのに、更に他の犬が嫌いになってしまったという話しはよく聞きます。
ドッグランに行けば、簡単に社会化が出来ると思うのは安直な考えかもしれません。
ドッグランで、相手が挨拶をしてくれているのに、挨拶を無視したりすれば、相手に叱られることもあります。
それを、初めて子犬を飼った飼い主の方が、「初めてドッグランに行ったら、相手の犬にガウッってやられたり、追い掛け回されたりした。うちの子が他の犬が苦手になってしまいました。」と聞くことがありますが、本当に相手の犬が悪いのか?相手の犬はその子を注意しようとしただけではないのか?と思う時が多々あります。
不安になりながらも、犬に慣らさなければ!と飼い主がドキドキしながら「また他の犬に何かされないだろうか・・」という気持ちでドッグランに行けば、不安はそのまま子犬に伝わり、またパニックを起こすような悪循環に陥る。
全ての犬が、他の犬と遊べるとは限りませんし、それを望んでいない犬もいます。
じゃあ、犬が嫌いなマロくんを犬がたくさんいるUGの群れに入れることは可哀想なことではないのか?と思われるかもしれませんが、私はマロくんに、遊べるようになって欲しいとは思っていません。
マロくん自身もそれを望んでいるとは思えません。
遊ばなくてもいいし、遊べなくてもいい。
ただ、仲良くしなくてもいいから、基本的な犬同士のルールだけは覚えてもらいたいなと思うのです。
UGの群れのメンバーがマロくんをいじめたりすることはありません。
マロくんが他の犬が苦手なことをみんな知っているからです。
それでもしつこくする犬がいれば、私かリーダーの小次郎が注意します。
遊びたい子は思いっきり遊んだらいい。
のんびりしたい子は、のんびりお昼寝をすればいいと思います。
人が色んな性格の人がいるように、犬にも色んな性格の子がいます。
生まれ持った性質もあります。
マロくんは、じゃれて遊んでいるのすら、ケンカをしているように見えてしまっています。
それは遊びなんだよと、数日かかってでも、マロくんが納得するまで見せるしかないのです。
犬のことがある程度、理解出来れば、お散歩の時にむやみにパニックになることはなくなるか、少なくなります。。
わからないから怖いのです。
わからないなら、わかるまで見せてあげたらいい。
焦らずに、じっくりと。
無理に挨拶させたり、強制はしません。
裏目シリーズ 其の三
※お散歩で会った犬と仲良くなって欲しいから、挨拶するように近づけた。
これも、場合によっては裏目に出ることがあります。
お散歩で会ったお互いの犬同士が友好的で、近づくのはいいかもしれませんが、たまに「ほら。きちんと挨拶しなさい。」と無理にリードをぐいぐい引っ張り、相手の犬に近づけようとしたり、抱っこしながら、お互いの匂いを嗅がせようと鼻同士をくっつけようとする光景は見ていてうーん、思ってしまいます。
特に抱っこしながら顔を近づけるのは逃げ場がなく、犬にとっては迷惑な話しです。
良かれと思ってやっていたことが裏目シリーズ連発ということにショックを隠せないお母さん(´;ω;`)
過去は変えることは出来ません。
ご家族の皆さんもどうにかしようと一生懸命にやった結果がそうなってしまったということです。
これらを聞いた時点で、合宿中に、噛みつきを完全に治すことは出来ないと思いました。
ここに来るまでに、噛みつきを治すどころか、噛みつきを強化していくやり方をし続けてしまっていたからです。
お家に帰った後に、ご家族がマロくんと戦わずに、緊張や不安を無くし、穏やかな暮らしをしていく他に、マロくんの噛みつきを無くしていくことは出来ないのです。
裏目シリーズはまだあるのですが、きりがないので、この辺りにしておきます(^_^;)
時間はかかりましたが、少しずつお店や私に慣れてきたマロくん。
ガチガチだった表情が少しずつ柔らかくなっていきました。
まだ緊張感はありますが、笑顔が見えるようにもなってきました。
可愛い(*^^*)
5日目の夜に変化が。
1頭でしかお散歩に行けないマロくん。
実は合宿が始まってすぐに、試しに小次郎とお散歩に行ったのですが、とてもじゃないけどお散歩にはなりそうにないので、すぐにやめました。
でも、今日はところどころ戸惑いながらも、一緒にお散歩に行けるようになりました!!
すごい進歩です(^_^)v
6日目。
ご飯もその場で食べきるようになり、食器を守る行為が無くなったことにより、そこからの攻撃モードに入ることは無くなりました。
最初の頃のマロくんは、他の犬がひたすら怖くて、近くに犬がいると、トイレもまともに出来ませんでした。
家ではフードをバクバク食べるのに、犬が近くにいるとご飯も食べられませんでした。
目の前でみんながじゃれているのがケンカにしか見えませんでした。
散歩で他の犬と会えば、何もされていないのに大パニック。
少しでも追い込まれたり、プレッシャーを感じると、自分を守るために躊躇なく人を噛む。
小次郎とはなんとか昨日、散歩に行けましたが、今朝は群れのみんなと行くことにしました。
マロくんが限界であれば、即座に止めるつもりでした。
一気に増えた頭数に驚きを隠せないマロくん。
「もう何日もみんなと一緒にいるじゃん。大丈夫だよ。」と散歩スタート。
最初は嫌がっていましたが、小次郎の隣でリズムを掴み、
目的地まで来ることが出来ました!!
帰り道は緊張もせず、ゆったりと歩けていました。
初日では考えられない光景です。
みんなとお散歩に行けて良かったね。
マロくんも嬉しそうです(*^^*)
小次郎が普通にマロくんの近く寄るように。
マロくんは多少戸惑っていますが(笑)
なにより驚いたのが、子犬2頭と一緒に普通にいたことです。
動きが激しく、不規則な動きをする子犬を嫌がる成犬は多いです。
驚きを隠せない店長を不思議そうに見つめるマロくん。
素晴らしい!!
部屋の隅で固まって動けなかったのが、堂々とした立ち振舞いを見せるように。
そしてチワワ合宿の子に多い、店長大好きっ子にマロくんもなりました(*´∀`*)
私がお昼休みの時も、早くこっちに来ないかなー♪とキラキラした目でこちらを見つめるマロくん♡
はやくー。
はやくー。てんちょーこっちにきてー。
トイプードルのノエルちゃんも大ジャンプで店長を呼んでる(笑)!?
他の犬が周りにいると近寄って来れなかったマロくん。
必ず私が売り場などで、一人にならないと近づいて来れなかったマロくんがついに、
群れのみんなをかき分けて、自分をアピール出来るようになりました(´;ω;`)
遊べなくても、同じ空間にいるみんなは仲間なんだよ(*^^*)
勇気を振り絞ってこちらに来てくれたことが本当に嬉しかったです。
店長を見つめる眼差しが熱い(*´艸`*)
撫でるだけが愛情ではありません。
一緒の空間にいるだけ。
お客様にはまずそこから再スタートしてもらいたいなと思いました。
幸せな時間でした。
7日目。
さらに頭数を増やしお散歩へ♪
それもクリアし、さらに自信を深め、UGにいることを楽しみ始めたマロくん。
顔の表情はどんどん豊かになり、慣れたかな?と思っては、やっぱり怖くてガウッとするけど、店長は好きで離れないというツンデレストーカーでしたが、この日は初めて1日に一度も攻撃モードに入らず、ツンデレストーカーはデレデレストーカーに変身しました(笑)
もうそこには緊張している姿はありません。
普段、私はずっと抱っこをしたりはあまりしないのですが、マロくんはこちらに慣れるのに時間がかかり、ずっと我慢していたので、特別に長めの抱っこ♡
マロくん、めっちゃ嬉しそう(*´艸`*)
店長も長時間の抱っこで腕が痺れるも、顔はデレデレ(*´∀`*)
この日は、ひたすら抱っこしてくれ攻撃がすごかったです(笑)
夕方のお散歩の振り向きざまのこの笑顔には思わず泣きそうに・・・
いい笑顔だ、本当に。
最終日。
いよいよお迎えの日です。
トリミングで、キレイになって帰ります。
嫌がる犬も多い爪切りもこの表情(*^^*)
シャンプーも、肛門腺しぼりも、
ドライヤーでのブロー、その後のカットも全く問題なし。
何度も書きますが、マロくんは生粋の噛み犬ではないのです。
噛み犬であれば、こんな穏やかな表情であるはずがない。
噛むどころか、一度も唸りもしなければ、嫌がりもしませんでした。
トリマーを信用し、身を委ねていました。
マロくんは繊細で優しい子なのです。
カットをしてキレイになった後に、お迎えが(*^^*)
喜ぶマロくん。
「マロー♪頑張ったな。」とよしよしするお父さんに甘えるマロくん。
お散歩に行く前にご家族との様子を見ていると、マロくんは家族の中でもお父さんに特になつくワンマンドッグだということがわかりました。
信頼した人にはとことん尽くすチワワの特性ですね。
まずはお父さんにリードを持ってもらいます。
見てください、この笑顔を(笑)
嬉しいね、マロ。
お家の中では素手ではマロくんを触れない息子さんにリードを持ってもらいます。
ちょっと緊張が強いかなー。
でも、嬉しそうに歩く後ろ姿を見ているだけで嬉しかったです。
代官山に着くと、たくさんの人と犬がいました。
近くに犬がいても、スルー出来るようになりました。
気にせず、どんどん行こう(*´∀`*)
次はお母さん。
無事にお散歩が終わり、お家に帰ってからのお話しをしている時に、息子さんが触ろうとした瞬間に、マロくんの攻撃モードが入りました。
後ろからそっと撫でようとしたのがマロくんは嫌だったようです。
お母さん、息子さんはやはり緊張と不安が強く、それにどうしてもマロくんが反応してしまいます。
この3年間、ずっと噛まれ続けていたので、怖がるな、構えるなという方が無理です。
申し訳ないですが、マロくんの心の傷は深いです。
マロくんは、どうして?なぜ?とずっとわけもわからず我慢してきました。
マロくんは生粋の噛み犬ではありません。
マロくんは、噛みたくてご家族を噛んでいたわけではないのです。
そうしないと自分を保てなかっただけなのです。
時間はかかりますが、マロくんを信じてください。
ご家族の皆さんも自分たちを信じてください。
ここからがスタートラインです。
合宿の後もお客様と連絡は取り続けます。
一緒にどうすれば楽しい生活を送れるようになるか、考えていきましょう(*^^*)
試行錯誤しながら。
挫けそうになったら、何度でもこのブログを見てください。
マロくんの笑顔を見て、気持ちを切り替えてください。
マロくんと同じ思いをする犬と飼い主の方に、このブログを見て少しでもお役に立てたら嬉しいです。
最後に、しつけに悩んでいる皆様へ。
問題犬だと思っているその子は本当に問題犬ですか?
噛んだり、吠えまくったり、いたずらしたりする愛犬の気持ちをきちんと理解出来ていますか?
反抗的で生意気だと思っている愛犬の目をもう一度よく見てください。
その目は怒りではなく、悲しみに満ちていませんか?
犬は言葉を話せません。
人に頼らなければ生きていけないのです。
最初から悪い犬はいません。
これからも困ったお客様や、本質を理解されず、悲しい思いをしている犬のために頑張りたいと思います。
そして今回、真面目で優しく、一生懸命なお客様に出会えたことを感謝します。
信じて預けて頂き、ありがとうございました。
マロ、これからは楽しいことばかりだよ、きっと。
合宿前は近所しか歩けなかったけど、お散歩も色んなところにいけるようになったしね(^_^)v
お母さんが気合を入れて、1日に何時間もお散歩に行ったって聞いたときは、気合入りすぎ(笑)って思ったけど、お散歩は楽しいよね♪
これからお父さん、お母さん達に頑張ってもらうから大丈夫(*^^*)
だから、家族を信じてムキムキしないで笑顔でいなさい(笑)
出会えて本当に良かった。
ありがとう。
本当に笑顔とデレデレストーカー姿が見れてよかったです。
写真の顔がこんなに違うかと毎回感動です。
マロちゃんご家族これからがスタートですね。笑顔がもっともっと増えていけるように願ってます。
コメントありがとうございます(*^^*)
マロくんはこれからです♪
これからもご家族とマロくんは、フォローさせて頂きます。