一般的に子犬をペットショップで買ったら、混合ワクチンは３回打つのが当たり前となっています。
生後２か月頃に１回目、生後３か月頃に２回目、そして生後４か月頃に３回目を打つのが一般的になっています。
子犬の社会化お泊りで、お客様からお問い合わせのお電話などで、まだワクチンを２回しか打っていないのですが社会化お泊りは無理ですか？と聞かれることが多々あります。
その際に、我々スタッフは子犬を迎えたのは、ペットショップですか？ブリーダーからですか？
飼い始めてどれくらい経っていますか？と聞きます。
先日の記事でも書きましたが、全てのペットショップとは限りませんが、子犬をペットオークションから買い付けたとなると、オークション会場で不特定多数の子犬が集まるわけで、その中の１頭でも病気の子犬がいれば、同じ空間にいる他の子犬にも感染する可能性は０ではありません。
例えば、４５日の子犬をペットオークションから買ってきたとして、病気などで亡くなるのを一番恐れますから、１週間から２週間はバックヤードで待機させて、生後６０日くらいで販売するのが多いのかなと思います。
愛護法が変わり、生後６０日までは親元から離さない、販売しないという流れになりつつありますがまだそれは２０２０年の今では完全実施されてはいません。
場合によっては、ペットショップに来て数日で、飼い主が決まってしまうことも珍しくないと思います。
その場合、ペットショップは子犬が亡くなるのが困るので、とにかくサークル、ケージから出さないでください、すごい所だと１週間は触らないでください。と接客します。
伝染病の潜伏期間が２週間くらいのものだと仮定した場合、とにかく疲れさせない、余計なことをさせないためにそういうアドバイスをします。
環境の変化は、子犬には大きなストレスがかかります。
ストレスが大きければ、病気が発症しやすくなります。
人間もストレスがかかっている人は病気になりやすいですよね？
でも、その間も子犬にとっては一日一日がとても大切なのです。
それを一切触るな、構うなというのも子犬の精神衛生上は良いとは言えないと思います。
かたや、ブリーダーから子犬を迎えた場合は、親元から離れたとしても、大体はその日に新しいお家に行くことになります。
ペットオークション→ペットショップ→新しいお家という流れよりも、ストレスは少ないです。
ＵＧはもちろんの事、私は今まで販売した子犬は全てブリーダーさんから譲ってもらった子犬です。
信用しているところからしか子犬は迎え入れていません。
その場合、母子抗体といって、お母さん犬がきちんとワクチン接種をしていて、産まれた直後に初乳を飲んでいれば、私は混合ワクチンは２回でいいと思っています。
あくまでも、私個人の考えです。
私が専門学校に通っていた頃は、研修などに行くとパルボという恐ろしい病気で子犬が亡くなることがあったりして、強烈な伝染病だったので、子犬を１頭触ったら、そのたびに肘まで消毒薬に浸けて手がボロボロになったこともありました。
そういうのを見ていたので、子犬はペットオークションではなく、ブリーダーから直でという考えになりました。
ワクチンが２回でも、今まで私が扱ってきた子犬が伝染病で亡くなったことはありません。
それは、ブリーダーさんがしっかりワクチンを打っていて、キレイな状態で心身ともに健康で、ストレスが少なく、子犬の免疫が異常に下がることが少なかったからかなと思います。
話しを戻しますが、例えば、社会化お泊りを検討しているお客様から、数日前にペットショップから子犬を迎えたが、夜鳴きや甘噛みが凄くて、このままでは飼っていける自信がない。と言われても、こちらは病気のリスクを考えると、どうしてもすぐには受け入れることは出来なかったりします。
ＵＧは毎週、毎週、社会化お泊りで子犬が出入りします。
万が一、伝染病が発生した場合、徹底的に消毒しないといけませんから、場合によっては休業しないといけなくなります。
それは絶対に避けたいので、そこのリスクは外せません。
きちんとしたブリーダーさんからの子犬であれば、最短のお預かりでワクチンが２回終わってから２週間経ったら受けることはあります。
ペットショップからだとすると、やはり病気が怖いので、基本的には飼い始めてから１か月経っているか、ワクチンが３回終わってから来ていただく流れとなっています。
ＵＧにいるトイプードルのジーニーと店長の愛犬のジャックラッセルテリアのロイスは混合ワクチンは２回です。
両方ともブリーダーさんから直でＵＧに来ていて、絶対は無いですが、病気になる可能性は低いので社会化を重視して、ジーニーもロイスも、直ぐに群れで生活させました。
生後６ヶ月までが超重要です。
正直、今のワクチンが３回終わってから２週間で外に出るという流れはちょっと遅すぎると思います。
ＵＧにカウンセリングに来たお客様に私が今日から預からせてください。とよくお願いするのは、一日でも早くその子犬に社会化を経験させたいからです。
生後３か月まで高度な群れ社会で経験を積んだロイス。
経験値が全く違います。
こんなに違うのかとビックリしました。
３か月ですぐにお散歩デビューし、生後４か月の今ではあまりにも堂々としているので、お散歩で会う方にえ？４か月なんですか？と驚かれます。
それくらいに成長が早いです。
ジーニーの意思を継ぐ群れのリーダーになってもらいたいので、とにかくやれることはやっておきたいです。
これはそれぞれの飼い主様の自己判断でお願いしたいですが、ペットショップで買った子犬でも、絶対に外に出さない！！ではなく、その子の体調や暴れっぷりを見ながら、窓を開けて外の音を聞かせるとか、抱っこしてベランダから外の世界を見せるとか、YouTubeなどで、環境音と検索すれば色々出てきますから、それらを見聞きさせるなどで、刺激を与える方法はいくらでもあります。
それらでも刺激にならなければ、抱っこで外に連れ出すなどして、UGに来るまで凌いでもらうか、お散歩で刺激とエネルギーの発散をさせられるまで待ちましょう。
子犬の時期は取り戻すことは出来ません。
後悔のないように、もちろん状況に合わせて病気やケガなどに気を付けながら子育てを頑張ってもらいたいです。
