今回、合宿に来てくれたのは、トイプードルのトイくん。
合宿をご利用頂いたお客様から、お客様を紹介して頂き、お電話を頂きました。
店長「どんなことにお困りなのでしょうか?」
お客様「結婚して、奥さんが飼っていたトイプードルと同居し始めたのですが、私のことを噛むのです。」
店長「そうですか。環境が変わったりすると犬も神経質になることがありますから。わんちゃんは何歳ですか?」
お客様「11歳です。」
店長「・・・え?」
お客様「この子のことで夫婦でのケンカも増えてしまって・・・」
11歳か・・・大丈夫だろうか?
夫婦喧嘩が増えるのはよろしくないですね。
カウンセリングに来ていただくことになりました。
トイくん、初めまして♪
群れの中に入れてみて、犬同士の様子を見た感じでは普通かなと感じました。
お母さんへの依存がかなり強く、ひゃんひゃん絶叫しながら、カウンターを飛び越える勢いです。
ものすごい興奮です。
11歳と年齢を聞いて、体力的に大丈夫かな・・と心配していましたが、かなり体力はありそうです。
そして、触って抱っこしようとすると、うー。という唸りが。
触ったら噛むぞ。と言っています。
店長「お母さんは今まで飼われていて、問題はありませんでしたか?」
お母さん「はい、一切ありません。」
店長「では、噛んだり、吠えたりというのは引っ越しをしてからということですね?」
お母さん「はい。」
噛まれるのはお父さんのみ。
噛まれ、朝も鳴いたりするので、お父さんはしつけをやり直そうとお母さんと話しあったりするものの、お母さんからすると、今までに11年一緒に過ごしてきて、問題は無かったと話しはいつも平行線に。
ちょっとしたことでお父さんは血が出るほど噛まれ、叱るとさらに向かってくるとのこと。
お父さんには「環境が変わり、トイくんも神経質になっています。人も犬もピリピリしている状況では、いくら叱っても意味がありません。」とお話ししました。
お父さんからすると、可愛がって、仲良くしようとしているのに、下手をすれば噛まれ、なめられているのかな?と思い、厳しくしてもダメで、一体どうすればいいんだという状態に陥っていました。
朝早くからわんわん鳴くのもキツいとお父さんは悩んでいました。
合宿決定。
今までで最高齢でしょうか?
11歳、どこまで変われるのか。
お客様の紹介ということもあり、やれるだけやってみようと思いました。
合宿に来る前に、1泊のお泊りに2回来てもらい、1泊だけでも変化が見られたということで、1週間の合宿に来ることになりました。
合宿開始。
今まで、お母さんと共に暮らし、問題が無かったというのは嘘ではないと思います。
良い意味で変化の少ない生活で、お母さんとトイくんの世界の中できっちりとしたルールがあったのでしょう。
結婚することによって、お家が変わり、前のマンションではお母さんがどこにいても見えたり、気配を感じることが出来たのが、広くなったことで自分の視界からお母さんが見えなくなったりするようになったことで、その変化についていけず、不安になり、吠えるようになったのではないかと予想しました。
ただでさえ慣れない環境にお父さんも加わり、これまたその変化についていけず、お父さんが仲良くしようとしても、上手く受け入れることが出来ず、唸って、噛み、叱られるも、元々持っている強さは相当なものがあり、お母さんに叱られることが少なかったことで、余計に叱るお父さんに反発していたのではないかと思います。
お母さんとの小さな世界では問題は無かったトイくん。
お家が広くなり、家族が増えたことで、世界が広がり、今までは表に現れなかったほころびが生じてしまいました。
脱、箱入りお坊ちゃま!!
世界は広い(*^^*)
合宿で、その悪循環を絶ちます。
今までは優しいお母さんと何不自由ない生活を送っていたと思いますが、お母さんへの依存がものすごく、それを和らげる必要があります。
群れの子達と生活し、他の犬達と共存していかなければいけません。
良い意味で、ストレスをかけながら、「我慢」することを教えていきます。
早速、群れでのお散歩。
うん、とても良い感じです。
大きな興奮もなく、他の犬がいても嫌な空気を出すこともありません。
お母さんが優しく育ててくれたことで、ひねくれている感じは無さそうです。
では、なぜ噛むのか?
もう少し様子を見ます。
群れのみんなと待てをしてからのご飯を頂きます!
この後、トイくんを触って、抱っこをしようとすると、またうー。と唸りました。
先は長いです。
ゆっくりいきます。
初日終了。
2日目以降も、群れに慣らすため、様子を見ながら。
焦らずにゆっくりと。
トリマーにシャンプーをしてもらいました。
前回の柴犬のがんもちゃんの時と同じように、嫌なことをされた時の反応を見るためです。
どこを触られたら嫌なのか?
嫌だとしてもどこまで我慢出来るのか?
嫌がる場所を見つけたらなぜ嫌がるのかをしっかりと確認します。
トイくんの場合、耳と、爪切りに対してものすごい反応を見せました。
耳は耳道で炎症が起きており、無理にいじらず病院に行ってもらってうことに。
爪切りは、最初はまだ良かったのですが、
わおんわおんと吠えたかと思うと、前足の爪切りで豹変。
この時に、怖がって嫌がっている場合があるので、叱らずにとにかく、優しく、こちらは圧をかけずに、ゆっくりと作業します。
トイくんは怖がっている様子はなく、とにかく嫌なものは嫌だ!!と一切引く様子はありませんでした。
うーん、これは時間をかけても難しいかなと思いました。
11歳というこれまでの長い経験があり、生まれ持った強さがあります。
一歩も引かないシニア犬に無理しても、余計に悪化する可能性があります。
体を触らせることに対してはまだ大丈夫反応を見せるので、じっくり、ゆっくりと最低限のルールを教えていけたらと思いました。
桜がキレイですね。
みんなでお散歩♪
どうでもいいことですが、フレンチブルドッグのバロン、鼻水が出てますね(笑)
最初は群れに馴染めなかったトイくんでしたが、少しずつ他の犬を理解し始めました。
そして、最初の頃に見られた興奮や分離不安はほとんど見られなくなってきました(*^^*)
11歳という年齢で初めて経験することばかり。
最初は1頭で休んでいたのが、次第にみんなと一緒にいることが多くなり、
一緒に昼寝が出来るまでに。
この日から、トイくんが子犬の近くにいつもいるということに気が付きました。
特別遊ぶわけでもなく、でも子犬が飛びかかるとうー。と唸るものの、決して噛むこともなく。
みやびと琥二郎と川の字で寝ることも♡
すっかり群れに溶け込みましたね。
お母さんは、この写真を見て感動していました。
まさか、トイくんがここまで他の犬と仲良く出来るとは思っていなかったのでしょう。
正直、私も思っていませんでした(笑)
元々、持っている強さがマイナスに向かえば吠える、噛むなどの問題行動を起こしやすくなります。
しかし、良い方向に導けばブレずにどっしりとしたリーダーになることも出来るのです。
トイくんに対して、媚びず、でも唸られても我慢出来るギリギリのところを触り続け、触られることへの抵抗が徐々に減っていったトイくんは、いつの間にか私に甘えるようになっていました(*^^*)
まだ表情は硬いですが・・(笑)
少しずつ、トイくんの世界を拡げていきました。
じっくりと、慌てず、戦わず♪
穏やかで、刺激的な日々を過ごし、どんどん変わっていくトイくん。
今日は長めのお散歩を♪
どんどん歩いて向かった先は、
合宿でお馴染みの渋谷のドッグカフェのカリン堂♪
ここどこ?というような表情のトイくん。
お水を飲んで、
その後は、きちんと大人しくしてくれました(*^^*)
お利口さん(≧▽≦)
最後は寝ていました。
帰る途中で代官山を通り、最高の笑顔を見せてくれるトイくん♡
表情が柔らかくなりましたねぇ。
可愛いなぁ(о´∀`о)
楽しかったね!!
日が経つにつれ、ピリピリしたオーラは消えていき、柔らかく、優しい雰囲気に。
触ってももう噛んだりはしません。
そういう付き合い方をしていき、きちんと導いて、力を抜いていいんだよというのを教えてあげたら、犬は理解してくれます。
最初は唸っていたスタッフにも、
足を枕にするくらいに甘えるようになり、
そのまま寝てしまうくらいになつくようになりました♡
スタッフ、動けず\(^^)/
うーん、初日の飛び上がって、我を忘れたようにパニックになっていた子とは思えない姿。
たくさん仲間も出来ました!!
次の合宿ブログに登場するトイプードルのこむぎちゃんもトイくんにメロメロ(笑)!?
そんなこむぎちゃんと最終日はお散歩へ♪
4ヶ月の子犬のこむぎちゃんと今年12歳になるトイくんの不思議なペア(≧▽≦)
どんどん歩こう!!
恵比寿、
代官山を通って、
ロングお散歩終わり♪
後は、お母さんのお迎えを待つだけです。
お母さんがお迎えに来て、お散歩に一緒に行き、帰ってくると、
子犬達が「トイおじちゃんどこに行ってたのー?」と群がってきます♪
元々、生まれ持った強さを持ったトイくんは、いつの間にか子犬達が慕う存在になっていました。
ここまで子犬が寄ってくるのは、とても珍しいことです。
琥二郎が持っている強さに似ているのかなと思いました(*^^*)
琥二郎も、特に何もしていないのに、合宿に来る子犬にやたら慕われていました♪
頼れる強さを皆、感じるのでしょうね。
みんながトイくんに夢中(≧▽≦)!?
お母さんの知らないトイくんの姿がそこにはありました。
今まで埋もれていた、トイくんの素敵な姿です✨
飼い主様から見たうちの子はこういう子だ。という思い込みや、誤解は、合宿の度にあります。
トイくんは、今までに経験して来なかったことを学びました。
お家に帰ってから、どう変わっていくのか?
とりあえず、お父さんには戦わないこと、向かってきても、スルーすること、広いお家に戻り、不安や緊張が復活することも考え、お母さんには今までのように接してもらうようにお願いしました。
お母さんへの依存が強く、頑固で強いトイくんを変えるのには時間がかかります。
その後も、様子を見ながら、お客様と連絡を取り合い、フォローを続けました。
そして、先日、久しぶりにトリミングに来たトイくんは、病院で耳の治療をし、耳は嫌がらずに触らせてくるようになりました。
爪切りは相変わらずでしたが、全体的に落ち着いてより落ち着いてトリミングが出来るようになったとトリマーも言うくらいの変化を見せてくれました(^^)v
毛色も全体的に濃くなったように思います!
心身ともに充実している証拠ですね(*^^*)
お迎えに来たお父さんと話しをしました。
合宿から帰った後も、以前よりは良くなっているものの、試行錯誤の日々を送っているそうで、たまにスイッチが入り、お父さんは噛まれることがあるとのこと。
最初に出会った時は、申し訳ありませんが、お父さん自体が犬に慣れておらず、慣れていない人が緊張や不安を抱えたまま叱っても犬は受け入れないことが多いので、戦わないでくださいとお願いしました。
私がこのブログでよく書きますが、吠える愛犬とのお散歩に行く時に、また吠えるのではないか・・と飼い主の方が思い、リードを知らず知らずのうちに強く持てば、それはリードを持った手から犬に伝わり、犬も緊張し、結果的には吠えやすくなってしまいます。
犬との暮らしに慣れていないお父さんが、一生懸命にしつけようと思っても、強く、お母さんにべったりのトイくんには逆効果になると感じたからです。
しかし、日が経つにつれ、お父さんとトイくんの間にも、生活の中で、新しいリズムが生まれてきます。
お互いが少しずつ、時間をかけて関係性を作り上げていく。
じっくりと焦らずに(*^^*)
そんなある日、やはりトイくんがガウッったそうで、客観的にそれはおかしいと思ったお父さんはその場でしっかりと叱ったそうです。
最初の頃のたどたどしいお父さんとは違うと感じたのか、そこから、少しトイくんのお父さんを見る目が変わったとのこと。
暮らし始めてすぐは受け入れられなかったトイくん。
犬との暮らしに最初は戸惑い、どう接していけばよいかわからなかったお父さん。
トイくんは強くて頑固なところもありますが、頭は良い子なので、これからまだまだ変われると思います!!
お父さんも、これからトイくんとの関係を築き上げていけると思います。
そして、次のステージにいくには今度はお母さんの協力が必要です。
新しいお家に引っ越し、環境に慣れるだけで精一杯のトイくんに、お母さんの対応まで変わることは、11歳という年齢を考えた時に酷かなと感じました。
今まで過ごした10年以上の積み重ねもあり、まずはトイくん自身を落ち着かせることに重点を置きました。
UGの合宿で、きちんと正しい方向に導けば落ち着けることが出来るのはわかったわけですから、これからはお母さんもきちんと嫌なものは嫌だとはっきり伝えましょう!!
特に、お父さんへの反応は、もしかするとお母さんを守ろうとしている可能性もあります。
その時は、はっきりと「やめなさい」と伝えてください。
叱ったとしても、トイくんがお母さんを嫌いになったりはしません(*^^*)
今回の合宿で、トイくんが子犬達が慕うほどしっかりしている子だというのを、お母さん自身が、その目で確認したはずです(^^)v
トイくんはお母さんが思っている以上に強いですし、しっかりしています。
むしろ、お母さんを守らなければと、トイくんが心のどこかで思っているとしたら、そこからトイくんは解放されることになります♪
トイくんの気持ちが楽になります。
トイくんは11歳、今月で12歳になりますが、まだまだ元気です。
まだトイくんは変わることが出来ます。
これから先の楽しい生活を送るためのキーポイントはお母さんだと私は思います。
最後にトイくんへ。
トイくん、大好きなお母さんとずっと暮らしていて、急に環境が変わってビックリしたね。
お父さんは、めっちゃ優しいんだよ(*^^*)?
君が何度、お父さんを噛んだかわからないけど、もうそろそろ新しいお家にも慣れたよね?
お母さんのことは、必要以上に守らなくていいんだよ。
もう、お父さんがいるんだから。
最初はお父さんも混乱して、戸惑って、トイくんにとんちんかんな対応をしてたかもしれないけど、お父さんは心の底から君を可愛いって思ってる。
この前もお迎えに来た時も、デレデレだったもん(笑)
だから、これからは仲良くしよう!!
お父さん、お母さん、トイくんで家族だからね。
君は優しくて強い。
君がわがままな噛み犬であれば、めちゃくちゃに飛びついてくる子犬達にも攻撃してるはず。
でも、噛まなかったよね?
むしろ、子犬のそばで見守るように寝てくれてたよね。
お父さんを信じて。
君が変わるまで、必要とされるならお父さんとお母さんにアドバイスし続ける。
君は変われる。
また今度、会った時を楽しみにしてるね(*^^*)
今回のようなケースは意外と多いのではないかと思います。
結婚などを機に、愛犬が変わってしまった。
扱いにくくなった、攻撃的になった。
人は言葉で話せますが、犬は言葉を話せません。
環境が変わることは人も慣れるまで大変だったりします。
言葉を話せない犬は人以上のストレスを感じているかもしれません。
それによって、何かを伝えたくて吠えたり、神経質になってしまったことを人が考えず、理解せずに叱っても犬の心の行き場が無くなります。
時間が解決することもあります。
わけがわからなくなったら、犬と一緒に外に出ましょう♪
家の中でイライラしても、家の中が緊張と不安で支配されるだけです。
犬は人がいないと生きていけません。
人がしっかりしていないと、不安になってしまいます。
トイくんは、お世辞抜きで頭が良く、しっかりした、男らしい子です。
人が変わればトイくんも変わります。
あともう少しです。
これからもフォローし続けますので、よろしくお願い致します。
私は人と犬の笑顔が見たいのです!!
お父さん、お母さん、トイくんにこれからさらに笑顔が増えるようにお手伝いさせて頂きます(*^^*)
これからもよろしくお願い致しますm(__)m