子犬を飼うことを今一度、考える。

UGに久しぶりに子犬が来ました。

お客様から依頼されて新しく来た子犬です。

ですが、すぐにはお渡し出来ないことになりました。

というか、もしかしたらお客様にはまた違う子をお渡しする可能性が高いです。

なぜか?

みやびやしずくという歴代のリーダー犬と同等、もしくはそれを凌ぐかもしれない強さを感じるからです。

生後2か月のトイプードルの女の子で、UGでの呼び名は「牡丹」になりました。

今年は例年にない寒気で、東京も4年ぶりに積もるくらいに雪が降りました。

牡丹雪から命名しました。

来た初日から、吠えまくり、暴れまくり、甘噛みなのか本気噛みなのかわからないくらい、体はがっちりとしていて、生後2ヵ月とは思えないくらいの気の強さと体力、気力。

うん、イカれてます笑

これはお客様にお渡し出来ません。

手がつけられず、ノイローゼになってしまう可能性が高いからです。

もし、お渡しするとしても、私が大丈夫。と判断するまでなので、卒業はいつになるかは未定です。

お客様には、もうすでに数か月待っていただいたのに、申し訳ありません。

ですが、UGDOGS中目黒店は、子犬をお客様にお渡しすることを絶対に妥協は出来ないのです。

子犬はみんな可愛いのは当たり前です。

しかし、成犬になってからの付き合いのほうが長いわけです。

私は、子犬をお客様にお渡しするということは、そのお客様の人生に関わることだと思っています。

いつも書いていますが、犬を飼ったからには、この子を家族に迎えて良かったな。と思ってもらいたいのです。

牡丹をお渡し出来る方はかなり限られると思います。

一般的には飼いやすい子犬ではないからです。

でも、我々スタッフはもうすでに牡丹が可愛くて仕方ありません。

牡丹は合宿や、社会化お泊りに来る子犬たちと似ています。

あり余るパワーと強さがあり、お客様を悩ませる子犬たち。

生まれた兄弟の中で、おそらく一番強い、生まれ持ったリーダー気質の子犬。

みんなが同じ性格、性質なんてありえません。

強い子もいれば、弱い子もいて、活発な子もいれば、大人しい子もいます。

全てが完璧の子もいないし、全てが悪い子もいません。

ハッキリ言って、人と犬にも相性はあります。

だからこそ、子犬を勧めるプロも、飼う側もきちんとしなければいけないと思うのです。

子犬を「買う」のと、「飼う」のは全く違います。

お金を出せば、日本では簡単に子犬を買えます。

でも、簡単に買ってしまって、こんなはずではなかった、こんなに大きくなるとは思わなかった、こんなに活発だとは思わなかった、噛むとは思わなかった、暴れるとは思わなかったなど、様々な理由で、1週間で5~10件も私にカウンセリングの依頼があるのはなぜなのかを考えなければいけません。

本当にその子犬が悪いのか?

UG卒業犬のみやびは、確か一度行ったところから、こんな子犬は無理だとブリーダーさんに一度は返された子犬です。

ブリーダーさんからその話しを聞いて、そんなに強いならUGに来ちゃいなよ!!

面白そうだから是非、UGにと来た子でした。

うん、まぁ確かにすごかったです笑

イタズラも、気の強さも半端じゃなかったです。

でも、そんなみやびも今は最高に可愛がられて幸せに暮らしています。

みんなが最高の犬になるチャンスがあるし、問題犬と呼ばれる可能性もあるわけです。

牡丹は可愛いですが、みんなが飼える子犬ではないかもしれない。

だったら、UGで群れの中で育ちながらお迎えを待てばいいと思います。

社会化お泊りに来て、諸事情からUGの群れのメンバーになった黒プーのロゼ。

この子を見た時にあ、みやびの時と同じだ。と思いました。

この子もとにかくすごかったですが、レンとしずくや群れのメンバーのおかげで、来月で1歳を迎えようとしていますが、立派な成犬になりそうです。

卒業も見えてきていたロゼですが、卒業する前に最後の仕事があります。

牡丹を育て、レンやしずく、フレブルのバロンや柴犬の銀次郎などの先輩から受け継いだUGのルールを牡丹に教えてあげること。

強さは必ずしも欠点ではありません。

強い子だからこそ、群れをまとめるリーダーになれる。

ロゼや牡丹の規格外の強さはUGでは欠点ではなく正義です。

今はまだ大したことはないですが、これから牡丹の猛烈な甘噛みやパワーをロゼが受け止め指導していかなくてはいけません。

でも、その時に先輩の偉大さを知るのです。

あ、こんな大変な思いをして、先輩は自分の相手をしてくれていたのだと。

子犬が一気に大人になるときは、後輩犬の相手をする時です。

 

しずく姉さんとのコンビのようにロゼと牡丹も最強の姉妹になれるかな!?

今日は、病院に行ってきました。

ここどこー?

健康診断と、ワクチンとマイクロチップを先生にお願いしました。

ワクチンはもちろんのこと、マイクロチップの太い注射も一言も鳴くことなく平然としていた牡丹。

これから、様子を見ながら少しずつ群れのメンバーに会わせていこうと思います。

リスクはありますが、私は社会化を優先します。

子犬の社会化の時期を取り戻すことは出来ないからです。

ガンガン食べさせて、ガンガン走らせて、ガンガン遊ばせて、ガンガン先輩に叱られて、みんなでお昼寝して、成長していこう!!

ケージに独りぼっちでいたら牡丹は発狂してしまいます。

牡丹はこれからたくさんの出会いが待っています。

独りぼっちではありません。

皆様、そんな強烈な牡丹をこれからよろしくお願いします。

おそらく、牡丹はこれから社会化お泊りに来る、有り余るパワーと、刺激を求めて想いが爆発しそうな子、誤解されている子達の初めてのお友達になってくれるでしょう。

みんなで一緒に成長していったらいいと思います。

子犬は1頭では育ちません。

牡丹には幸せになってもらいます。

牡丹との出会いに感謝します。

卒業するその日まで、我が子として大切に育てたいと思います。