災害時における愛犬との避難について考える。

先日、日本に上陸した大型台風19号の被害はいまだ続いています。

そして、あの夜に店長は6頭の犬と共にUGにいました。

その時感じた事、学んだことを今後の教訓として生かしていくためにも記録したいと思います。

かつてない大きさの台風と言われた台風19号。

12日の午後に関東に上陸するとあり、各鉄道会社も軒並み運休のアナウンスがなされていました。

前日の11日、店長は休みでした。

12日はスタッフが電車の運休で来れたとしても帰れなくなるので、全員休ませ、私も当日の朝に電車が動かないとなるかもしれないことも予想し、混乱にも巻き込まれたくも無かったので愛犬のボルドーと共に前日からUGに泊まることにしました。

正直、翌朝に電車が本当に動いているかハラハラしながら家で寝て、土曜日の朝にびっしょびしょになりながら通勤するくらいならその方がいいと思いました。

停電、断水に備え、セブンイレブンでパンや水を買い込み、お会計の時にレジにあるお知らせを見て、店長は一瞬固まりました。

レジ横のお知らせには台風のため、明日の11時に閉店します。と書いてあったからです。

なぜか私は他のテナントさんは休みでもセブンイレブンさんは開いていると思い込んでいたので、店員さんに閉めるんですか?と聞くと、明日は11時30分から東急東横線が運休するのでそれに合わせて閉めますとのことでした。

この時に、何か物凄く不安になりました。

アトラスタワー、アネックス、アリーナの複合施設のテナントに当日いるのは恐らく私のみ。

マジですか…

UGに行くと、UGの子犬のトイプードルのジーニーと、社会化お泊りの子犬のうにょちゃんが、夜なのに店長がいるぅ〜♪とフィーバー。

UG卒業犬のジェシカ、トーマス、合宿組で何度もお泊りにきているメリーちゃんは店長を見ても落ち着いていました。

さすがです。

この子達を守って、無事にお家に帰すのが店長の使命です。

その夜はあまり眠れず。

翌日。

そこまで雨風共に強くはないものの、街から人は消えていました。

犬達の世話をし、11時の閉店前にセブンイレブンさんで食料の買い出し。

後は、台風が通り過ぎるのを待つだけです。

午後に地元でいつもお世話になっている先輩から、大丈夫ですか?目黒川が氾濫した時のシミュレーションをしておきましょう。とアドバイスをいただきました。

アトラスタワー内の防災センターに行き、万が一の時は2階に避難させて欲しい。とお願いしました。

次第に強くなっていく雨風。

目黒川の様子を見れる定点カメラのライブ映像を数分おきに見ることが続きました。

http://dim2web09.wni.co.jp/megurocity/livecamera/houraibashi.html

ここが溢れた瞬間に避難することを決めていました。

下記のリンクからは、水位状態を見れます。

http://dim2web09.wni.co.jp/megurocity/obssuii/40220043600000249_suiigraph10.html

これもまた確認する作業が続きました。

店内に浸水した時に備え、低い位置にある商品在庫を少しでも高い位置に上げ、直ぐに逃げられるようにクレートを用意しました。

UGの目の前の階段から2階に上がれば助かります。

しかし、目黒川が氾濫して、10cmでも水が上がってきたらただでさえ重いこのドアは開くのだろうか?という不安もあったのでとにかく浸水しそうだと感じたら即、避難することに決めました。

夕方前になると、テレビで目黒川が放送されているのか、親や友達などからたくさん連絡がきました。

店にいるというと、本当に危ないぞ。水をなめるな。冗談抜きで死ぬかもしれないんだぞ。と色んな方から心配されました。

わかってはいても、停電や浸水がなければ頑強なアトラスタワー内にいる方が安全だと思いました。

自分だけならもちろんこんなことはしません。

私は犬達を守らなければいけなのです。

いよいよ台風が上陸という時には、UGの近くにお住まいのお客様から防災グッズはある?夕飯は大丈夫?とご心配いただきましたが、テレビの実験で強風で飛んだスリッパが窓ガラスを貫通するのを見て恐怖を覚えていたので、お客様に何かあっては危ないので大丈夫ですとお返事しました。

心臓バクバクの店長のそばで落ち着いているジェシカ、トーマス

店長に甘えるメリーちゃん、

ひたすらイチャこいてるジーニーとうにょちゃん笑

防災センターの方が夜の24時がピークだと言っていたので、停電、断水に備え、暗くなる前に早めに私も犬達もご飯を済ませ、万が一の避難に備え、その時の疲労とストレスを考慮し、早めに休ませました。

もし避難するとなったら、そこから熟睡。というわけにはいかないと思いますから。

今のうちに休ませておこうと思いました。

店長が泊まり、早朝から動く店長に合わせてみんなもこの日は早起きだったので、早々にみんな爆睡。

みんなが寝てから、懐中電灯と電池をもう一度確認し、容量の大きなバッグに吸水性が良く、早く乾くマイクロファイバータオルを入れ、トイレシーツ、水、犬達のご飯、自分の食料、スマホを充電するバッテリーなどがあるのを確認し、停電になって真っ暗になってもスムーズに避難出来るようにシミュレーションを何回もしました。

後は、ひたすら時計を見て時間が過ぎるのを待ち、目黒川の様子を数分ごとに確認することの繰り返しでした。

そして、12時前にうにょちゃんがひと眠りして回復したー♪と起きたくらいには、台風は過ぎ去っていました。

あれだけ吹き荒れていた風が全くなく、大雨もなく、街にはゴオオオオオという目黒川を大量の水が流れる音だけが響いていました。

数時間前と比べると信じられませんでした。

しかし、この後に北上した台風は北関東、東北にも甚大な被害をもたらしました。

翌日も、多摩川や荒川は危険な状態で、知人からこの荒川の写真を送ってもらって、大切なことをお知らせしていないことに気が付きました。

以下、Instagram、Facebookで投稿した文章になります。↓↓↓

増水後の川辺、川岸、河川敷には近付かないでください。

昨夜の様に、大量の雨が降った場合に下水処理が間に合わず、下水がそのまま川に流れることがあります。

マンホールから下水が上がってくることもあります。

レプトスピラという感染症があり、ネズミの尿などから感染します。
人畜共通感染症です。

詳しい情報が下記から見れます↓↓↓
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/531-leptospirosis.html

犬のワクチン証を見ていただくと9種ワクチンなどを打っていると項目の欄にパルボやジステンパーなどと一緒にレプトスピラと書いてあることが多いと思います。

それでも、レプトスピラは様々な型があるそうで、ワクチンを打っているから絶対に大丈夫!とは言い切れないようです。

実際に洪水あとのドッグランでレプトスピラが出た例もあり、発症するとかなり危険です。

マンホールが溢れた場所も注意した方がいいかもしれません。

経皮感染もするようなので、ぬかるんだ所にズブズブ入ったり、お散歩などで歩かないように注意してください。

心配であれば、お散歩が終わった後に足を洗うのが1番良いかと思います。

この投稿でレプトスピラを知った方も多かった様で、たくさんの方にシェア拡散していただきました。

ありがとうございます。

実際に、ここ数年で多摩川や昭島などでレプトスピラが発症しています。

レプトスピラだけでなく、様々な菌や危ない物も流出していることがあります。

増水後の川にはむやみやたらに近寄らない方がいいと思います。

今回の台風で、改めて感じたことは普段のトレーニングがいかに大切かということです。

今回、一緒に台風を乗り切れたのは、しっかりとハウストレーニングが出来ているUG卒業犬のジェシカ、トーマス、合宿組でUGでのお泊りにも慣れているメリーちゃんと、子犬だけれど気が強く、店長がそばにいれば大丈夫なこの子達だったからです。

頑強なアトラスタワーのおかげで、扉を閉めて奥に引きこもっていたので、犬達はほとんど恐怖などを感じずにお家に帰れたのではないかなと思います。

避難は少なからずとも人にも犬にもストレスがかかります。

皆様も今一度、自分の住んでいる地域のハザードマップの確認、防災グッズなどの点検、避難ルートの確認、避難場所の確認、ペットを飼われている方は同伴避難出来る地域に住んでいるか?の確認をお願いします。

ちなみに、東京23区だとこんな感じです。

皆様のお住まいの地域はどうでしょうか?

それでも、自分の区は可能だから大丈夫。というわけではなく、同伴避難が出来たとしても、人とペットが過ごすスペースは別というところが多いと思います。

動物のアレルギーがある方もいますし、動物が苦手な方にも配慮する必要があります。

だからこそ余計に普段からの最低限のマナーとトレーニングは必須だと私は思います。

カウンセリングに来るお客様にも、フリーのみで過ごしてケージに入れていないことから問題行動と呼ばれることをしている犬が多いです。

ケージがお部屋に無いお客様にはハウストレーニング、ケージトレーニング、クレートトレーニングをやってくださるようにお願いしています。

いざという時にそれらのトレーニングが飼い主とそのペットを守ってくれる可能性が高いからです。

避難の時だけでなく、ホテルや、病気やケガなど動物病院に入院した時など、ハウストレーニングが出来ている子はストレスが少ないと思います。

また、ある程度何でも食べれるようにしておいた方がいいとも個人的には思いました。

手作り食しか食べないとかですと、電気、ガス、水道が止まった場合に犬のご飯が作れなかったり、1週間分などを大量に作り置きし、冷凍庫に入れて、食べる時にその都度解凍して与えている方も多いと思いますが、停電になればそれらはすぐに溶けてダメになってしまいます。

いつもの美味しいご飯から、ストレスがかかった状況で愛犬がドッグフードを食べれるかも考えてあげても良いかもしれませんね。

メインは手作り食でも、食べれるドライフードを一つでも探して非常食として常備しておいたり、普段から手作り食にドッグフードを混ぜて与えるなどして慣れさせておくのも食のトレーニングかなと思います。

店長も愛犬のボルドーの食が落ちた時のために肉を冷凍庫に入れていたので、停電になったらそれらは全て廃棄となりますから、停電にならなくてホッとしました。

今週末も雨が降るようです。

地盤が緩んでいたりすることもあるかと思います。

最大限の注意を払って過ごしましょう。

店長の実家も台風の被害を受け、未だに断水しています。

水を工面したり大変な部分はもちろんあるようですが、温泉施設などが無料開放してくれるなどして、お風呂などは困っていないようです。

本当にこのような状況での助け合いが大切ですし、ありがたく思います。

また、テレビで私の母校の生徒さんが被災者の方たちのためにボランティア活動をしている様子を見て涙しました。

ボランティアに行く方も、寒さ対策を万全に、ケガなどに注意してください。

これ以上、被害が拡大しないように祈るばかりです。