以前にシニア犬用と成犬用の違いを解説したコラムを執筆しましたが、今回は肥満犬向け（ライト）とアダルトのドッグフードについての違いを解説したいと思います。
エネルギー
エネルギー（カロリー）は当然のことながらアダルトに比べると低くなっています。肥満とは、消費カロリーより摂取カロリーが上回り続けた結果であるため、その不均衡を解決するためには、消費カロリーを上げるか、摂取カロリーを下げるか、もしくはその療法を行うか、が解決策になります。
多くのブランドで発売されている肥満犬用では、アダルトと比べてカロリーがオフされているものがほとんどです。
タンパク質・脂質
タンパク質に関しては、あまりに減らすと健康に問題が生じる場合があるので、やや抑えめにしている場合が多いようです。タンパク質の多く（特に食肉）はタンパク質源であると同時に、脂肪なども含んでいます。脂肪はカロリーが高く、肥満犬向けにカロリーを抑えるためには、脂肪分を抑えることになります。そのため、タンパク質はやや抑えめに、脂肪分は大幅に抑えるかたちとなっています。体重が適正になり、それなりの運動量がある場合には、タンパク質が不足してくる場合があります。
原材料
動物性・植物性たんぱく質
脂肪を抑えることがカロリーを抑えることにつながるため、成犬用に比べると動物性たんぱく質の割合を抑え目にしているケースが多いです。動物性脂肪には、皮膚の健康維持に必要なオメガ6系脂肪酸も多く含まれているため、成犬用を与えている時と比べると皮膚や毛がぱさついてしまうケースがあります。
L-カルチニン
一部の肥満犬用フードには、L-カルチニンが添加されている場合があります。L-カルチニンには、脂肪燃焼作用があるためです。L-カルチニンは、食肉の中ではラム肉に多く含まれています。
成犬用への切替タイミング
肥満用フードの多くは、タンパク質がAAFCOで推奨されている最小値18％に近い抑え目の値である場合が多く、標準体重で運動量がある場合には、タンパク質の不足で毛艶が失われたりということが起こりえます。標準体重に戻ってきた場合には、通常の成犬用に切り替えをすることをオススメ致します。
適正体重に戻って成犬用に切り替えるとまた太ってきてしまうという場合には、与える量が多いか、運動量が少ないかという可能性が高いと考えられます。特に後者が理由の場合には、運動量を増やしてあげることを考えてあげましょう。
わんちゃんも人間と一緒で、適度な運動が必要です。適度な運動でカタラが鍛えられ筋肉が作られ、筋肉が作られると基礎代謝が上がり、太りにくい体が作られます。
肥満犬用を与え続けなければならないというのはあまりよい状態とはいえません。飼い主様の生活事情や住宅環境などの問題で、なかなか運動する機会を作るのが難しい場合もあるかとは思いますが、運動は健康にとって重要な要素となりますので、室内でも出来る限り遊んであげたり、カロリーが少し控えめのフードを与えてみたりと様々な工夫をして、わんちゃんが健康でい続けられる環境を整えてあげて下さい。
当店では高品質な肥満犬（ライト）用フードを取り扱っておりますので、よろしければご購入をご検討ください!
