シニア(老犬用)フードとアダルト(成犬用)フードの違い

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昨今は多くのドッグフードブランドが巷に溢れています。その中でブランドごとに成犬用とシニア犬(老犬)用が分けられる場合が多くありますが、成犬用とシニア犬用は一般的にどのような違いがあるのか説明をさせて頂きたいと思います。

原材料や成分・カロリー

シニア犬用は成犬用と比べて原材料の種類や、成分のバランスに違いがあります。

タンパク質

たんぱく質に関しても、成犬と同様に十分なたんぱく質(粗たんぱく質が18%以上が適当であると言われています)を摂取する必要があるため、成犬用とシニア犬用の違いがあまり見られないフードもあります。

成犬時においても重要ですが、たんぱく質の量と同時に消化吸収のよいタンパク源を中心に摂取することが消化能力が衰えてくるシニア期においてより重要となります。

また、シニア犬に多く見られる腎疾患の兆候が見られる犬(軽度の腎障害)については低蛋白食が推奨されますが、タンパク質の不足による筋肉の衰え等も懸念されるため、極端な低タンパクフードを与える場合には注意を要します。

エネルギー

高齢になると筋力の低下や運動量の減少が見られるため、カロリー消費量が落ちてきます。そのため、カロリーについてはシニア犬用のほうが成犬用よりややカロリーオフのものが一般的には多いです。

ただ、非常に高齢な犬で適正より少ない体重の場合には、むしろ成犬用より高カロリーのフードを与えることで適正体重に持っていくことが適当だと考えられます。個々のわんちゃんに適したドッグフードを選んであげることが重要になってきます。

抗酸化成分

一部のシニア犬用フードでは、抗酸化成分の増量を謳ったものがあります。優れた抗酸化物質は体内の酸化物質の障害作用から保護すると言われていますが、抗酸化成分は老犬にかかわらず生涯にわたって有効であり、増量することが有効かどうかは現状において科学的に証明されていません。

関節成分

シニア犬については関節が弱くなっている傾向にあるため、関節のサポートのためにグルコサミンやコンドロイチンが添加されていることが多くなっています。ただ、グルコサミンやコンドロイチンの有用性については、人用の研究でも効果があるかどうかははっきりとしていません。

その他の違い

粒の形状

歯が弱ったシニア犬用に砕きやすい粒の形状になっていたり、セミモイスト(半生)タイプとなっているフードもありますが、食べることが可能であるのならば、ドライフードを与えて頂くことをお勧めいたします。

アダルト用をシニア犬に与えていいのか?

シニアに移行しようとした際に、アダルトと比べて、シニアのほうが若干脂質などが抑えられており嗜好性が低くなる場合が多かったり、粒が変わったことによる変化等が理由で以前のように食べてくれないケースがあります。

アダルトの量を調整して与えるという選択肢もありますが、別の栄養素が不足してしまう可能性があるためベストな選択肢とはいえません。全く食べてくれないのであれば、別のシニア用なども検討してみるとよいでしょう。

いずれシニア用を与えるようになることを考えて、アダルトを与えている間にシニアを少量与えておいて事前に慣らしておく手も、好き嫌いが激しい子には有効だと言われています。

逆にシニア用をアダルトに与えていいのか?

シニア用をアダルト犬に与えなければいけないケースは少ないと思いますが、運動量が少ない場合などにはシニア犬用のほうが適しているケースもありますし、ダイエット用に一時的にシニア用を与えるケースがよい場合もあります。

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この記事の筆者

吉武 雄史UGpet Inc. 代表取締役社長

小学校の卒業文集に「ペットショップの店長になりたい」と夢を記し、20歳となり1年間アルバイトをして貯めた資金を元手として、明治大学在学中にUGペットを創業。現代表取締役社長を務める。愛犬はトイ・プードルのくるみとミニチュアダックスフントのビビ。ZENペットフードの開発者です。

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