先日、インスタグラムのコメントで要望があった去勢・避妊について今回は書きたいと思います。
私は獣医ではありませんので、あくまでも店長の個人的見解としてご覧ください。
UGには毎週、社会化お泊りに子犬が来ます。
いつも書いていますが、UGで受け入れる子犬たちは気が強く、タフな子ばかりです。
男の子は、人の手足や、クッション、ベッドなどへのマウンティング、マーキングなどが多かったり、早い月齢でそれらが現れることが多いです。
女の子でも、マウンティングやお尻をあげてオシッコをするマーキングをする子もいます。
今は、生後6か月くらいで去勢・避妊する事が多いのでしょうか?
社会化お泊まりのお客様から去勢や避妊に関しての質問はかなり多いです。
何度も書きますが、UGで受け入れる子犬達は通常よりも気が強い子犬が多いです。
生まれ育った兄弟の中でも恐らく一番強い個体なのではないかなと。
同じ兄弟でも強い子、弱い子、おおらかな子、神経質な子など色々います。
そして、そんな子達は幼稚園などで同級生は相手にならず、抱っこしてくださいとか、リードに繋いでくださいとか、クレートに入れてくださいなどと言われる事が多かったりします。
パピークラスなどで事故を起こすわけにはいかないので、それも致し方ないですね。
でも、飼い主とその足元でなんでボクだけみんなと一緒じゃないんだよ!離してよ!と暴れ、吠える子犬を抱えて、ネット検索し、中目黒のクレイジーおじさんに辿り着き、カウンセリングでおめー、おっさん何見てんだよ!と生意気な子犬を見て「可愛い❤」とニヤつく店長に出会えた子犬は自分で言うのも何ですが幸せかなと思います。
そうやって、各地のジャイアン達がセレブな街、中目黒の駅前に集結するわけです🤣
子犬とは思えない体力、気力でガツガツご飯を食べて、筋肉パンパンになって帰っていく子犬達。
そんな子達が生後6ヶ月にもなると、足を上げてオシッコしてみたり、自己主張がさらに強くなり、人間の子供でいう反抗期みたいな感じになる事が多いです。
半分子供、半分大人の仲間入りみたいな。
明らかに男性ホルモンの分泌が多い子はその辺りで病院の先生と相談してください。とお話しする事が多いです。
たまに、社会化お泊まりを考えているお客様からそちらにお泊まりする前に去勢手術をした方が良いでしょうか?と言われる事がありますが、6ヶ月未満、6ヶ月前後の男の子であれば、社会化お泊まりをしてから検討してください。とお話ししています。
例えば、吠える子だとして、安易に威張って吠えているんだ!去勢だ!となる事があって、本当はその子は怖くて吠えていた場合だと去勢後にさらにビビりになって吠えてしまう事があります。
そうなると、トレーニングで浮上させるのは難しくなります。
何でもかんでも去勢すればいいと言うわけではありませんので、注意が必要です。
当たり前ですが、去勢手術の後にやっぱり元に戻そう。などとは出来ないわけですから。
私が1頭目に飼ったコーギーのジャックは、体は小さいですが、めちゃくちゃ気が強い子でした。
早い子だと6ヶ月前後で、足を上げてオシッコをする様になり、1歳前後では明らかにオスに対してお前とおれどっちが強いんだ?と昨日まで遊んでいた子がライバルになったり。
ちなみにロイスは4ヶ月で足をあげるようになりました🤣
しかし、家のトイレでは足は上げないようにトレーニングしました。
外やUGでは足を上げてオシッコします。
コーギーのジャックは、ドッグランなどでは、お気に入りの女の子を見つけるとロックオン。
お店の看板犬をしている時も男の子が入ってくると唸って、時にはマーキング。
叱っても、ジャックの本能である、強いオスとして自分の子孫を残したい。という気持ちは抑えきれませんでした。
私はその時、必要だからあるのになぜ去勢をしなければいけないのか?と去勢はしたくありませんでした。
しかし、次第にケンカが多くなり、ある日オーナーに「これでは看板犬にはならない。去勢してくれ。」と言われ、一度は予約してドタキャンした去勢手術をする事に。
麻酔から覚めたジャックは玄関でブルブル震え、呼んでも来ません。
次の日も何だかジャックでは無い感じ。
あぁ、去勢なんてやっぱりするべきじゃなかった…と後悔しましたが、次の日には何だか明るくなって、次の日にはほとんど元通りに笑
その時は私も経験が無かったので、心配しましたが、麻酔の後などは3日くらいはドーンと落ち込む子もいますが、UGに通ってる子犬達はみんな強いので、3日くらいで元に戻ると思いますよー。とアドバイスすると、大抵お客様からは元に戻りました!と連絡がきます。
しかし、柴犬なんかはデリケートな子が多く、エリザベスカラーなどでストレスフルになって、ピリピリする子が多く、そんな時は抜糸して直ぐにUGに来て爆発すると元に戻る事が多いです笑
ここからは、あくまでジャックを通して感じた個人的な感想です。
去勢をして良かったこと。
*オス同士のマジケンカが無くなった。
*メス犬へのエロエロ活動が無くなった。
*エロエロ活動の時にはご飯などは食べず、それどころでは無かったがご飯を嘘の様に食べる様になった。
*体臭が少なくなった。
*オシッコのどぎついアンモニア臭が激減した。
*マーキングが激減した。
など、なんだよ。早くやりゃ良かった!と手のひら返しの私ww
ただし、去勢をしても攻撃性が残る子もいますので、よし、去勢すればうちの子も大人しくなるんだな。とは安易に考えないようにお願いします。
ジャックもUGの社会化お泊りの子達も、きちんとトレーニングをしてから去勢をしているからこそ、その後が楽になる事が多く、去勢をしたとしても、それらをぶっちぎってくる個体はいます。
マーキングなども必ず直るわけではありません。
オスとしての本能から解放されたジャックは私からすると楽になった様に見えました。
あくまでも人間側からの視点かもしれませんが。
逆に去勢した事によるデメリット
*輝く皮毛、張りのある筋肉が無くなった。
*太りやすくなり、フードは去勢前よりもかなり少なくしないといけなくなった。
*太った後に痩せさせるのが大変だった。
くらいでしょうか?
飼いやすくはなりましたが、本当に美しい輝く皮毛と筋肉はその後にいくら良いフードやシャンプーにしても元には戻らなかったですねー
ホルモンの凄さを思い知りました。
去勢のメリットがわかっても、次に飼ったフレンチブルドッグのボルドーも1歳を過ぎてから去勢しました。
とりあえずは1歳まできっちりと体作りをしてから去勢するのは、今飼っているジャックラッセルテリアのロイスも変わりません。
私はプロで、しつけもして、コントロールも出来ますが、うちに来るレベルの男の子はほとんどが6ヶ月くらいで去勢する事が多いですね。
それでも、お客様が去勢をしたいと言っても、その子によってはまだしない方が良いのでは?とアドバイスする事もあります。
何度も書きますが、一度去勢したらやり直しはききませんから。
次に、避妊手術。
私は女の子を飼った事はありませんので、そんなに詳しくはお話し出来ないかもしれませんが、女の子も6ヶ月くらいでやる事が多いようです。
アメリカなどは、保護犬や保護猫が譲渡する前に4ヶ月などで去勢、避妊しないと渡さない州もあると聞いてびっくりした事があります。
手術をして、それ以上繁殖させないようにする条例ですね。
男の子でも、睾丸の癌などはありますが、私の感覚だと女の子の病気の方が多いイメージがあります。
子宮蓄膿症、乳腺腫瘍など。
どれも手遅れになるとかなり危険で、今までにお客様の愛犬でそれらの病気で亡くなった子はたくさん見てきました。
一度目の発情が来る前に避妊すると、乳腺腫瘍のリスクが下がるというエビデンスがあるそうです。
なので、体がある程度出来てきた6ヶ月くらいでやる事が多いのかなと。
もし、私が女の子を飼っていたらいつ避妊手術をするか?と聞かれたら、私はやはり1歳まではやらないかなと。
するとしても、きっちりと体を育ててから手術をすると思います。
避妊手術をする事で稀に失禁する様になった子は見たことがあります。
後は、去勢、避妊手術によってホルモンバランスが崩れる事による脱毛や、関節や骨の成育異常が起きると言う獣医の先生の話しも聞いた事があります。
女の子は開腹手術になり、子宮と卵巣どちらも摘出する場合、卵巣のみ摘出する先生など、病院や先生によって考えは違うのでその辺りもよく話しを聞いて考えると良いかもしれません。
最近では、腹腔内手術により、傷口を小さくして体へのダメージを最小限に抑える避妊手術をしたお客様のケースも聞きました。
男の子では、睾丸が2個降りてこない場合だと、エコー検査でお腹の中のどこにあるか探し、見つからない場合は開腹手術をして見つけて摘出する場合もあり、片タマの子は急いで手術はせずに見守る先生も多いですね。
通常の去勢手術よりも傷口が2箇所になったり、傷口が大きくなったりする事が多くなるので。
時には片方が見つからない事もあるので、慎重にする必要があるかなと。
昨日と同じく勢いで思いつく事を書きましたが、私の去勢、避妊手術に対する見解はこんなところです。
あくまでも個人的見解ですので、心配であればきちんとかかりつけ医に相談する様にしてください。
自然なままがいい、体にメスを入れたくないという飼い主様は無理に手術はせずに、それはそれでいいと思います。
私もこの仕事をしていなければ、去勢はしない派のままだったかもしれません。
でも、看板犬としてお店に連れて来る以上は去勢をしないと厳しいですし、逆にストレスが溜まるかなと思います。
手術をしない場合は早い子だと7~8歳くらいで症状が現れる事があるので、先生に日頃から診せる様にした方がいいと思います。
女の子で、発情がきている子はドッグランなど不特定多数の犬が集まる所には行かないようにするのもマナーです。
オス同士で本気のケンカをしてしまうことがあるので。
発情がきている女の子は幼稚園などのお預かりや、トリミングはしません。と言われるお店もあるので、そこも注意しましょう。
一般的に、費用は避妊手術の方が高いと思います。
麻酔もあるので、よく考えて答えを出してください。
最終的に決断するのは飼い主です。
このブログが少しでも参考になれば幸いです。