ペットフードにまつわる4つの誤解

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ペットフードについては、原材料についてであったり、ペットフードを与えること自体についての是非など、様々な論調がネット上に溢れています。しかし、他を根拠無く過剰に攻撃することで自社の商品を宣伝したり、ソースが不確かなものを元に論じていたり、明らかに事実と異なる場合や、可能性があるレベルのものを断定的に伝えていたりという部分もありますので、今回はそのようなペットフードにまつわる良くある誤解についてピックアップしていきます。

誤解その1 ミール=粗悪な原料である

チキンミール、ラムミール、などミールがついているものは、屍肉、羽根など、本来廃棄するようなものを使用しているので「○○ミール」と書いているものは品質の低いドッグフードです、といった説明がされていることがありますが、それは誤りです。本来、「ミール」というのは、あらびき状にしたもののことをいう言葉であり、ミールという名前が付いているから粗悪と考えるのは早計です。

ただ、高熱による加熱処理が何度も行われているたんぱく質は変形して消化率が下がることが分かっているので、その点において、生肉から低温加工されている原料と比べると劣るケースが多いです。

誤解その2 副産物=粗悪な原料である

副産物とは屠畜された哺乳類の肉以外の、レンダリングされていない部分のことをいいます。 肺や脾臓・賢臓・脳・肝臓・血液・骨・部分的に低温脱脂された脂肪組織、それから、内容物が取り除かれた胃と腸が含まれます。

副産物は、人間でも食べており(レバーなど)、内臓は栄養豊富です。単純に副産物だから悪いということは絶対にありません。ただ、あいまいな表現をすることで、粗悪なものが使われている可能性も否定は出来ませんが、副産物が使われているというだけで粗悪なペットフードであると考えるのは誤りと言えます。

誤解その3 ペットフードの賞味期限が長いのはおかしい

私達人間が食べる食べ物は常温においておくと多くのものが腐敗してしまいますが、ペットフードは常温においていても、通常半年~1年半程度先の消費期限が設定されています。このことで、ペットフードには強力な合成保存料が使用されていて、ペットの体に良くないという喧伝がされている場合があります。

しかし、ペットフード(ドライタイプ)は、水分量が10%以下と低く抑えられており水分が低いと腐敗の速度は大幅に減速します。また、開けるまでは一般的には密封された袋に入っているため酸化が抑えられる(但し、開封後は1ヶ月以内に使用する必要がございます)、であったり、保存料についても最近は天然の保存料(トコフェロールやローズマリーエキス)が使われてるペットフードも多くなっています。現在は、犬猫のフードについては100%原材料表記が義務付けられていますので、表示以外の保存料が添加されている可能性は低いと思われます。

ペットフードが長期で保存が可能なのは、上記の理由によるものが大半であって、人間の食べ物と比べること自体が比較対象として適切ではありません。

誤解その4 ペットフードは100%全ての原材料が表示されていない

2009年(平成21年)6月1日に「愛玩動物用飼料の安全性の確保に関する法律(ペットフード安全法)」が施行され、犬猫のペットフードについては100%表示が義務付けられています。それ以前の犬猫用ペットフードには、全表示する義務が無かったため、表示されてないものが使われていた可能性がありますが、現在は義務となっているため、基本的には全ての原材料が表示されています。

最後に

愛犬・愛猫に与える食べ物ですので、慎重になるのは当然と言えますが、その気持ちに付け込んで、根拠無く必要以上に不安を煽る論調があることも事実だと思います。それらをしっかり見極めながら、愛犬・愛猫にあったフードを選ぶために、私達もアドバイス等ご提供できればと考えておりますので、ネットや実店舗でお気軽にご相談をいただければと思います。どうぞよろしくお願い致します。

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この記事の筆者

吉武 雄史UGpet Inc. 代表取締役社長

小学校の卒業文集に「ペットショップの店長になりたい」と夢を記し、20歳となり1年間アルバイトをして貯めた資金を元手として、明治大学在学中にUGペットを創業。現代表取締役社長を務める。愛犬はトイ・プードルのくるみとミニチュアダックスフントのビビ。ZENペットフードの開発者です。

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