便(うんち)の量が少ないことで、良質さをアピールしているケースが有りますが、果たして便量が少ないフードが良質といえるのか、考えてみます。
そもそも便とは何なのか?
便は、水分が60%、その他は多い順に腸壁細胞の死骸や細菌の死骸、食物の残渣と続き、食物の未消化分については便のうちの数%に過ぎません。そのため、仮に食物の残渣が2倍に増えたとしても、便の量は数%しか増えないことになります。
便は小さいほうがいいのか?
前述したとおり、便の大半は水分です。そのため、便が小さくなった場合には、食物の残渣が減ったというよりは、水分が減った可能性のほうが高いと推察されます。水分を含まない小さい便は、飼い主様からすれば処理に困らないという利点がありますが、犬にとっては、便秘を引き起こす危険性が高まります。
消化ができないものは不要なのか?
便として排出されるものは、消化できなかったものとなりますが、消化ができないから利用価値がないということにはなりません。消化ができない食物繊維などは、腸内環境をサポートしたり満腹感を維持したりする効果があるため、適量の食物繊維は健康維持に役立ちます。
例を上げると、トクホ認定をされている飲料の一部に利用されている難消化性デキストリンなども名前の通り消化がされにくく、その多くが便として排出されますが、腸内の水分を適正に維持したり、血糖値や中性脂肪値を調整する働きがあることが知られています。オリゴ糖なども一部を除きほとんど消化できませんが、腸内環境の維持に役立ちます。
結論
フードの良質さをウンチの量で判断することはできません。ウンチの量よりも、ウンチの状態をよく見て、愛犬愛猫にあったフードを選ぶことをお勧め致します。あまりに固い便や柔らかい便は合っていない可能性がありますので、異なる繊維質源を利用しているフードに変えてみるのもひとつの手かもしれません。
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