犬猫にとってのオメガ3脂肪酸

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マアジ近年注目されているオメガ3系ですが、犬にとっても効果的だと言われています。そのオメガ3脂肪酸について、どのような効果が期待されるのかや、注意する点などをご紹介します。

オメガ3脂肪酸とは

オメガ3脂肪酸とは、不飽和脂肪酸の分類の一つです。植物系に含まれる代表的なオメガ3脂肪酸としてはα-リノレン酸(ALA)があり、動物系では、ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)等があります。

オメガ3脂肪酸の効果

オメガ3脂肪酸であるDHAやEPAを多く含む鯨やアザラシを多く摂取しているエスキモーの人達は、オメガ6脂肪酸を多く含む牛や豚由来で同量の脂肪を摂取しているデンマークの人達と比べて、心疾患にかかる率が有意に低く、DHAやEPAには炎症を抑え血流をスムーズにする働きがあることが知られています。最近では、人用はもちろんのこと、犬や猫においてもオメガ3脂肪酸のサプリメントが数多く発売されています。

血液は身体の隅々まで栄養を届ける重要な役割があり、血管の健康を維持することは様々な器官の健康維持に影響します、オメガ3脂肪酸を体内に取り込むことは、様々な器官の健康維持に有効であると考えられ、特に皮膚や心臓、脳の健康維持に良いと言われています。

オメガ3脂肪酸の種類の違い

オメガ3脂肪酸を摂取する際において重要なポイントは、そのオメガ3脂肪酸の種類が何なのかという点です。植物性油脂に多く含まれるオメガ3脂肪酸の一種であるα-リノレン酸は体内でDHAやEPAに変換され吸収されますが、その変換率は人の研究において僅か10%前後と言われています。人ですらその程度の変換率であるため、肉食寄りの消化器官を持ち植物性油脂を摂取してきた歴史の浅い犬や猫は、更に変換率が低い可能性が考えられ、α-リノレン酸でDHAやEPAを体内に取り込むことは難しいと私個人は考えています。

そのためDHAやEPAをより多く体内に取り込むには、ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)を直接摂取する必要があると考えられます。これらの脂肪酸は主に魚に含まれていますが、白身魚はそもそも脂質が少ないため、脂肪の多い青魚やサーモンなどがDHAやEPAの摂取源として適しています。また、殆どの陸上動物の肉はオメガ6脂肪酸を多く含みますが、一部の陸上動物(野生の鹿や牧草を主食にした牛や馬)にも僅かですが含まれている場合があります。

オメガ3脂肪酸と酸化

オメガ3脂肪酸は加熱に弱いことが知られています。生で食べることがDHAやEPAの摂取という点で一番良いですが、経済性や衛生面での問題が出てきます。ペットフードでもDHAやEPAを多く含む原料が使われたものがありますが、フードの製造工程において酸素に触れる状態で高熱に晒されると酸化し効果が失われてしまいます。加熱加工されている製品に含まれている場合には、低酸素状態で加熱加工されているか、もしくは低温調理で作られているかどうかも重要なポイントです。

また、酸素にさらされると酸化が進みます。ペットフードの場合には酸化防止剤が含まれているため、一定時間は酸化されにくい状態が続きますが、開封されてしまうと袋内の空気が入れ替えられて酸化が進行しますので、開封後はなるべく早く使い切ることをお勧め致します。

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この記事の筆者

吉武 雄史UGpet Inc. 代表取締役社長

小学校の卒業文集に「ペットショップの店長になりたい」と夢を記し、20歳となり1年間アルバイトをして貯めた資金を元手として、明治大学在学中にUGペットを創業。現代表取締役社長を務める。愛犬はトイ・プードルのくるみとミニチュアダックスフントのビビ。ZENペットフードの開発者です。

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