子犬を飼うことは「可愛い」だけではなく「覚悟」が必要です。

黒プーのみやびの後に数ヵ月ぶりにお店に来た、トイプードル子犬のさんご。

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UGペットは、生後2ヶ月でお店に入ってきた子犬をすぐにはお客様にお渡ししません。

最低でも、生後4ヶ月までは社会化を身に付け、出来れば散歩も歩けるくらいまでになってから卒業させるようにしています。

それはなぜか?

当店の合宿に来ている子達のブログを読んでいただけるとおわかりかと思いますが、通常のケースでは社会化が足りない状態で、お家にもらわれていき、そこから様々な問題が発生し、しつけなどを飼い主がほとんどやらなければいけない状況になっています。

誰もが犬を飼うことに慣れているわけではなく、初めて犬を飼う人もたくさんいるでしょう。

大人しくて、ぬいぐるみのようだと思ってお家に連れて来た子犬がその日の晩から夜泣きを始め、ケージから出せばところ構わずおしっこをしたり、とんがった乳歯で手を甘噛みしたり。

楽しいはずの子犬との暮らしは数日も経てば寝不足でフラフラ、叱ってばかりで楽しいことは少なく、最悪の場合、なぜ子犬を飼ってしまったのか?というところまでいってしまうこともあります。

犬というのはこういうものなんだと諦めたり、感覚が麻痺してしまうか、ずーっと叱りっぱなしのまま飼われている犬は多いのではないかと思います。

それに耐えられない場合は最悪の場合、手放すことも。

私はこの業界で、そういうケースを嫌というほど見てきました。

誰も、最初から子犬を手放すとか、叱りまくるために犬を飼う人はいないと思います。

簡単に飼ってしまう飼い主の方と、「可愛いですよ」「抱っこしてみますか?」「大きくなりませんよ。」「大人しいですよ。」というもはやお決まりのセールストークで、簡単に子犬を渡してしまうペットショップ。

甘い言葉だけではなく、子犬を飼うことは大変だという一言さえあれば、救われる飼い主様がたくさんいます。

合宿に来たお客様は、焦りすぎて、自分の育て方が悪いのではないか?と自分を責める方もいます。

違います。

産まれたばかりの子犬です。

出来ないことの方が多いのは当たり前だと思いませんか?

合宿に来たときは、子犬はもちろんのこと、飼い主様のフォローがかなり重要になります。

犬を飼うということは、楽しいことばかりではなく、大変なこともたくさんあります。

誰が悪いというのではなく、もっと人生の一部に関わることになる、「犬を飼う」ということを、もう少し真剣に考えても良いのではないかと思うのです。

なので、当店では子犬を簡単に勧めることはありません。

子犬がいるとケージの前で「可愛い~」、となり、店員さんが「抱っこしますか?」と声をかけ、抱っこをして、「どうしよう、飼いたーい♪」とふわふわした子犬を抱っこすれば誰しもそういう感情になるのはある種、当たり前だと思います。

だって、子犬は無条件で可愛いからです。

そこで、感情のみで一気に推し進めると、気が付くと我が家に子犬がいた。ということになり得ます

かたや、UGペットは基本的に子犬の接客はほとんどしません。

ケージに入っている子犬は生後4ヶ月未満である場合が多く、まだお客様にお渡しする段階にありませんので、売り急ぎません。

抱っこしたいとお願いされてもお断りすることがほとんどです。

どうしてもという場合には、抱っこはせずに地面に降ろした状態で、子犬を見てもらいます。

普通のペットショップに慣れているお客様だと、当店はものすごく感じが悪いお店だと思います(笑)

お友達のトリマーさんがお店に遊びに来たときに、淡白な接客を見て、「子犬の接客で、こんな塩対応接客を見たことがない」と苦笑いされたことも\(^^)/

でも、こちらもそれだけ真剣なのです!

では、どういうお客様がUGで子犬を飼うのか?

ふわふわした気分で子犬を見に来て飼われた方はほとんどいません。

ものすごく真剣で、話しかけてくれるな。くらいの険しい表情のお客様だったり、何度も足を運んでくださるお客様だと、何か思うところがあるのかな?と天邪鬼な私は声をかけたくなります。

今まで、子犬をお渡ししてきた分だけお客様のドラマがありました。

お客様で多かったのは、ものすごく真面目で、きちんと「犬を飼う」ということを考えすぎるがゆえに、自分に犬が飼えるのだろうか?と後一歩踏み出せないお客様です。

そのときは、普段あまり接客しない私がはっきりとこう言います。

「お客様のように、真剣に犬を飼うということを考えているお客様にこそ当店の子犬をお渡ししたいです。社会化が入っているうちの子であれば大丈夫です。月齢もいっていて、ワクチンも終わり、お散歩にも行けます。犬同士で遊べます。人見知りもしません。夜鳴きもしません。」

ほとんどのお客様は「こいつ、上手いことしか言わないな・・本当なのか?」と首をひねりながらお帰りになります。

そこから、ほとんどのお客様はUGに何度も通うことになります。

本当にこの子で大丈夫なのか?

自分たちでこの子を幸せにすることができるのか?

店長の言っていることは本当なのか?

悩み、頭を抱え、帰り、また再び来店することの繰り返し。

ほとんどのお客様はUGから子犬を迎えるまでに1ヶ月以上悩んでから迎えることが多いです。

衝動買いなどはありえないのです。

私も、子犬を勧めながらも、うちの子を幸せにしてくれますか?とお客様に覚悟を問います。

私は子犬をお客様にお渡しすることは、お客様の人生の一部に関わることだと思っています。

子犬を飼うことは「可愛い」という感情ではなく、その子を本当の意味で家族として迎えることが出来るのか?という「覚悟」を問いたいのです。

大げさだとよく言われますが、その子が寿命を全うしたときに、本当にこの子に出会えて良かった、家族として迎えて良かったと思ってもらいたいのです。

何度も通っているお客様がうーん、やっぱり無理かなぁ、決断できないかな。とこちらが思っていたある日「店長、この子を家族に迎えたいです。」と仰っていただいたときの感動は何者にも変えられません。

それでも、初めて子犬を飼うお客様は、私自身もそうでしたが、犬と暮らす生活リズムに慣れるまで数ヶ月かかったり、基本的にUGの子犬はパワフルなので、成犬になるまでにお客様が不安になるときがあります。

そんなときは何度でもお店に来店していただき、お話しを聞きます。

絶対に売りっぱなしにはしません。

というか、お渡しした後も1歳まではお店に通えるお客様でないとお渡ししません。

渡したこちらにも責任があります。

お客様には、叱咤激励のアドバイスをします。

結果的に、最初は戸惑ったりしても、みんな、成長したときには、堂々とした素晴らしい子になります。

そして、それを優しい眼差しで見つめる飼主様の笑顔を見るのが我々スタッフの幸せなのです(*^^*)

今回、お店に来たさんごは女の子ですが、超パワフルです。

体力底なし、お腹も強く、トイプードルにありがちな関節の問題もありません。

頭が良く、ご飯もモリモリ食べ、常にお腹はぽんぽこりんです♪

群れに加わり、先輩にもまれて、ガンガン走っているので、同じ月齢の子犬とは比較にならないほどの運動能力の高さ、判断力を備えた超期待の子犬です(^^)v

ですが、みやびも同じですが、気が強く、頭の良い子犬は「可愛い~(о´∀`о)」だけでは飼えません。

飼主になる方も、それなりにしっかりし、この元気さを笑えるくらいの方じゃないと、リトルギャングであるさんごのパワーに押され、ノイローゼになる可能性があります(笑)

それだけ元気です。

今まで合宿に来た子犬も気の強い子が多く、飼主様が大変な思いを最初はしていましたが、合宿を通じて成長し、1歳を超えた子達はみんな落ち着き、子犬の頃に問題児と言われた面影が全く無い子もいます。

さんごがいつ、どのお家にいくのかは今はわかりませんが、UGに来た時点で幸せは保証されています。

お渡しする方を妥協せずに、さんごの成長を見守りたいと思います。

犬ってやっぱり最高なのです!!

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卒業するその日まで、楽しく過ごそうね。