2017年の最後の合宿に来てくれたのは、ミックス犬のハピネスくん。
推定生後6か月前後の男の子です。
推定というのは、ハピネスくんは海岸で保護された子だからです。
最初に保護してくれた方は飼うことが出来ず、縁あってお客様のお家に来ました。
新しい家族として迎えたのは良いのですが、お客様はハピネスくんとの暮らしに苦悩することになります。
そして、10月の終わりにUGに電話をかけてくださいました。
お客様はハピネスくんをUGに連れて行きたいと仰いましたが、そこには大きな問題がありました。
お客様のお住まいは山口県とかなり遠く、来るとしても、交通費だけでもかなりの金額になります。
そして、電話をしている時から気になっていましたが、お客様の声の感じが随分と若く感じました。
失礼だと思いながらもお聞きするとお客様はかなりお若いことがわかりました。
色んな意味でUGに来るのは現実的では無いとお話ししました。
お客様は電話の向こうでこの子をどうにかしたいんです・・と泣いていました。
電話をしながら、私は自分がジャックを飼った時のことを思い出していました。
私もジャックを飼い始めた時は、これからどうなるんだろう・・と思っていました。
お客様からも自分たちにこの子が飼いきれるのだろうか・・?という不安な気持ちでいるのが手に取るようにわかりました。
そして、お客様に少しでも気持ちが楽になるようにと、11/1に投稿した、店長とジャックの出会いの記事を書きました。
心優しいお客様に、とにかく頑張ってもらいたい。
ただひたすらそれだけでした。
しかし、数週間後にまたお客様から連絡があり、どうしても合宿に行きたいとのこと・・・
何度も何度も、本当にUGに来る必要があるのかどうかをお客様とお話しました。
実際にUGにハピネスくんが来る数日前まで。
そして、今までで最も遠い山口県からハピネスくんはUGにやって来ました。
2017年、最後の合宿です。
実際にお会いしたお客様は、予想よりもさらに若くてビックリしました。
若いというか、失礼ながらあどけなさを感じるほどです。
そして、ハピネスくんも予想していた和犬ミックスというよりは、シェパードっぽい雰囲気を感じました。
体の動き、ボディランゲージから。
カウンセリングで今まで経緯をお聞きして、お散歩も見せてもらいました。
最初はめちゃくちゃに引っ張り、ジグザグ歩行をしていましたが、お客様にリードの使い方、歩き方の指示を出し、代官山に着く頃には、そこそこ歩けるようになりました。
ただ、人や物音にかなりの反応を示すので、そこは注意が必要かなと感じました。
お預かりの時間は、お客様の都合もあり、1週間もありません。
かなりタイトでハードなスケジュールになります。
ハピネスくん、頑張ろうね。
お父さん、お母さんとしばしのお別れです。
お店に戻り、お客様が帰られた後に、ひゃんひゃん鳴きまくるかと思ったら、意外と静かでちょっと驚きました。
人や犬、外の物音に慣れていない部分はありますが、初日にこれだけ落ち着けるということはかなり強いということです。
そして、その予想は夜ご飯を与える時に確信的なものになりました。
お家で、食事の時にお客様にマジ噛みすることがあるとのことなので、万が一のことを考え、みんなと一緒ではなく、私とハピネスくんとでマンツーマンで、伏せと待ての練習をすることにしました。
やり方はその子によって違うので、一番覚えやすいやり方を探していきます・・・って、あれ??
あらら。
急にハピネスくんの雰囲気と表情が変わりました。
ハピネス「おい、おっさん、さっさと食わせろよ。うるーせんだよ。ごちゃごちゃめんどくさいな。」
店長「ダメ。待てしないとあげないよ。」
おいおいおい笑
まさかやるつもりじゃないだろうな!?と思った次の瞬間に襲われて噛まれました。
襲ってくんのかーい笑
襲うこと、噛みつくことに迷いなし、狙いよしっ笑!!
普通に手から血出とるやないかっ!!
子犬のクセに生意気~
そうか、いつもこうやってお客様を脅して、噛みついてんのかー。
やり慣れてますねぇ。
柴犬の子犬も、初日に攻撃してくることはあります。
しかし、わけがわからなくなったり、追い込まれて、こちらに襲いかかってくるという感じです。
でも、ハピネスくんは冷静に私を脅し、それに従わないとわかると襲いかかってきました。
柴犬の襲撃とは全く違います。
先程、シェパードっぽいと感じましたが、この脅し方はボーダーコリー、コーギーにそっくりだと感じました。
確実にジャパンケネルクラブ、通称JKCでいう第1グループの血は間違いなく入っているなと感じました。
JKCは第1グループから、第10グループまで犬種や作られたルーツなどで分けられています。
第1グループは、牧羊犬、牧畜犬のグループで、シェパード、ボーダーコリー、コーギーなどはそこのグループに属します。
牛や羊を恐れず、群れなどをまとめ、誘導するくらいの体力と頭の良さを持ちます。
頭がいい犬と聞くと、飼いやすそう。と思いがちですが、必ずしもそうとは限りません。
店長の愛犬のコーギーのジャックも気が強く、頭がいいと感じますが、頭がいい分「駆け引き」をしてきます。
言い方を変えれば、悪知恵が働くと言えばわかりやすいでしょううか?
頭がトップクラスに良い犬種だと本やネットに書いてあったからと簡単にボーダーコリーを飼って、こんなはずではなかった・・と後悔したり、悩んでいる方を今までたくさん見てきました。
頭が良いからこそ、常に頭を使わせ、刺激を与え続けないと暴走するボーダーコリーは多いです。
逆に、アジリティやフリスビーなどをさせると、その能力はいかんなく発揮されます。
と、いつものように脱線しましたが、この時に来てもらって良かったなと思いました。
このタイプの子はおそらくブログに書いていないと思います。
柴犬と同じことをやっても、おそらく上手くいかないでしょう。
このタイプの飼い方、トレーニングにはちょっとしたコツが必要です。
お客様が行き詰った理由がわかりました。
ちなみに、UGによく来る柴犬は、第5グループのスピッツ&プリミティブタイプです。
プリミティブとは、原始的なという意味合いを持ち、このグループの犬たちは野性味を残し、あまり改良されていないのが特徴です。
そんな柴犬を愛玩犬のような感覚で飼ったり、逆に噛むから反抗している。とただ単純な支配論だけでトレーニングすると失敗することがあります。
柴犬には柴犬のやり方があります。
教科書通りのやり方では上手くいかないかもしれません。
ハピネスくんは、3~4割くらいは和犬、残りがボーダーコリーやコーギーに近い子だと考えることにしました。
野性味を残した、頭が良くて強い犬ということですね。
あと、カウンセリングの時に気が付きましたが、ハピネスくんは、歯の噛み合わせがアンダーショットといって、口を閉じた時に、下の歯が上の歯よりも前に出てしまっています。
わかりやすくいうと、ブルドッグやフレンチブルドッグ、シーズーなどと同じ噛み合わせです。
ただ、そういう犬種を除いては、シザーズバイトという嚙み合わせの犬種が多いです。
そして、合宿、社会化お泊りに来る子達は、アンダーショットの子が意外と多いです。
あくまでも私個人の見解ですが、アンダーの子は自分を強く持ち、頑固で融通が利かない子が多いように思います。
自分を曲げない子が多いイメージです。
逆に面白い子も多いですが笑
まだ唸り続けるハピネスくんと再び距離を取り、もう一度伏せから始めます。
まだ子犬なのに、脅して、噛みつけばどうにかなる、押し切れる。とすでに学習してしまっているハピネスくん。
お客様は怖かっただろうな。と思います。
いくら子犬でも10キロを超える犬に襲われれば、血も普通に出ますし、恐怖を感じるのは当然です。
そして、そこからどうしよう・・となり、ご飯を与える度に緊張が生まれるようになり、その度に襲われ、飼い主も必死に止めさせようと戦いが生まれ、さらに関係が悪くなっていく悪循環・・・
この悪い流れを、この合宿で断ち切ります。
頭脳戦のはじまりはじまりー
店長、時間がなく攻撃的なハピネスくんを前に、焦りがないと言えば嘘になりますが、それよりも、合宿では初めて出会うタイプのハピネスくんにワクワクの方が大きかったのと、やっぱり来てくれて良かった、お客様は間違っていなかった。と思いました。
頭が良い犬だからこそ、基礎をびっちりとやらなくてはいけません。
脅そうが、噛もうが私は引かない。という意思をはっきりとハピネスくんに伝えます。
伏せ、待てが出来ました。
ハピネスくん、めちゃくちゃ顔が納得いってないですが笑
でも、確実にこの子は私に懐きます。
なぜなら、私はこの子の「初めての理解者」になるからです。
能力があるなら、それを引き出します。
チンピラまがいのことをするよりも、もっと楽しくてスリリングなことを店長が教えてあげるよ♡
世の中は広いんだよ。
君が見たことのない人、犬、外の風景を見聞きさせてあげる。
クレイジーなUGへようこそ。
初日終了。
2日目。
合宿組のトイマンチェスターテリアのノイヤールくんが来ました。
物に対する執着心を見るために持ってこいをさせて様子を見ることにしました。
反応はするものの、そこまでではないですね。
今度は、UGオリジナルトリーツの猪足を与えることに。
ハピネスくん、この大きさの6ヵ月の子犬にしては乳歯が抜けるのが遅いかな?と感じました。
子犬が噛みたい。と思うのは正常なことです。
ただ、ハピネスくんの場合、一度、こういうものを渡してしまうと取り上げることが出来なくなるので、噛ませるものを与えられないのかな?と思いました。
噛みたいのに、噛めるものがなければ、それが人や家具に向かうのは当たり前のことです。
でも、毎回、渡すたびに人が噛まれるのは厳しいものがあります。
なので、ここも待てをかけたらスッと離れるようにしていきます。
この時に、普通に手を出したら私でも噛まれます。
それをさせないための徹底した伏せ、待てなのです。
極端な話し、いついかなる時も待てが効けば、問題犬になりようがありません。
愛おしそうにゴリゴリかじっていました笑
室内では超強気で、ちょっと注意されたくらいで、マジギレして噛みついてこようとするハピネスくんですが、リードを着けて一歩外に出ると、パニックになります。
UGの前から動けないハピネスさん笑
室内での強気な態度はどこにいったのかなー?
目黒川沿いのイルミネーションを見ながら散歩に行こうと思っていたのですが、人がいない方、暗い方へ行きたがり、それ以外はパニックを起こすので、仕方なく最初は好きなように歩かせてみました。
結局、中目黒の駅の方向ではなく、ニトリの裏の静かで刺激がない方へ。
その辺りだと、比較的歩きやすいようですね。
それでも、遠くから聞こえるバイクの音などに反応を起こしパニックを起こし、極め付けはブルーシートにパニック!!
動くものに敏感ですねー
こういうのもボーダーコリーに似てるなぁ。
ちなみに、店長の愛犬のコーギーのジャックもバイクのビニールシーツやカバーが風でバタバタなるのが子犬の頃は超苦手でした笑
ハピネスくん、パニックを起こすと制御不能になりますが、それ以外はほとんど横に付いて歩けるようになりました。
まだ6ヵ月くらいですが、もうすでに10キロを超えています。
まだまだ大きくなります。
力もまだまだ強くなります。
なので、今回はリードワークをナイロンチョークを使ってびっちりやります。
なんか、大変なのですが楽しいですねー
ハピネスくんとの散歩は♪
2日目終了。
3日目。
朝の散歩から。
やはり難所はここか・・・
今まで、幾度となく、合宿組の子犬の前に立ちはだかった中目黒駅前のガード下。
ここでも、UG内では強気のハピネスくんが電車の怖がり、ガード下に響く音にパニックを起こし、ガード下でタバコを吸う人達を警戒。
しばらくすると、てんちょー怖いよー。と私の元に来たので、なんだー、可愛いとこあんじゃん!!と思って「大丈夫だよー。怖くないよー。」と優しく撫でてあげたらハッと我に返り「気安くさわるんじゃねー。」と唸り、噛もうとするハピネスッ!!
人が優しくしてやってんのにその態度はなんなんだっ笑!!
じゃあ、自分で歩いてみなさい♪
そんなこんなで、いつもの池尻の赤い橋まで来れました。
帰り道はより刺激が多い山手通りを歩きます。
あれ?意外と平気だ。
さすがにドン・キホーテの前は立ち止まりましたが、
それを過ぎれば余裕の足取りに♪
駅前も多少は躊躇したものの、クリア出来ました。
怖がっているから可哀想、嫌がっているから止めておこう。ではいつまで経っても成長できません。
本当に怖がりな子であればまだしも、この子、室内ではオラオラですからね笑
だったら外はどうなんだ?という話しです。
この子はやれる。
この日はフレンチブルドッグのバロンが来てくれました。
バロン、最近はお泊りに来る子犬にさほど反応せず、のほほんおじさんだったのですが、ハピネスくんに会った瞬間に即座に反応。
バロンも、ハピネスくんの強さに即座に気が付きました。
このモードになったら絶対にバロンは引きません。
バロンを挑発するハピネス。
先輩に挨拶しないでいきなりのその態度はなんだ!!と、即座に注意するバロン。
いけないことはいけないとバロンは教えてくれます。
子犬だからこそ、今だからこそ直せるから、バロンは本気で教えます。
このまま成長したら、人だけでなく、犬相手にもケンカ上等のオラオラ犬になりかねません。
でも、バロンは叱るだけではありません。
叱りながら、遊び方もきちんと教えてくれます。
ハピネスくんも、バロンが大好きになりました。
それでも、何度叱られても、
失礼なことをするハピネス笑
あーあ。
遊んで、叱られて、子犬は成長します♪
もう1頭、ハピネスくんの成長に大きく貢献してくれた先輩犬がいました。
合宿組のミニチュアシュナウザーのヴィリーくん。
恐れ知らずで、体力無尽蔵の火の玉ボーイ。
それゆえに、お母さんをひたすら悩ませたヴィリー。
その度に、店長に叱咤激励され、頑張ってきたお母さん。
そんなヴィリーも1歳になりました。
いつもやんちゃばかりしていたヴィリーでしたが、さすがの群れのメンバーもバロン以外はハピネスくんに対し、遠巻きに眺める感じでした。
そんなハピネスくんの相手をかって出てくれたヴィリー。
ヘイヘイ、UGなめんじゃねーぜ!!と、まだ遊び方が下手で、自分に都合が悪くなると、唸って牙を剥くハピネスくんにもヴィリーはやりにくそうにするものの突撃。
強さは必ずしも欠点ではありません。
ヴィリーが強いからこそ、ハピネスくんの相手が出来る。
ハピネスくんの想いを受け止めることが出来る。
それは誰にでも出来ることではありません。
確かに、ヴィリーは気が強くて、飼いやすい犬とは言えないかもしれません。
でも、こうやって後輩犬のパワーと心の開放が、尋常ではない強さを持ったヴィリーだからこそ出来るのです。
最初は逆ギレ気味だったハピネスくんも、時間が経つにつれ、表情が変わっていきます。
少しずつ余裕が出てきました。
ただ単に勝ち負けではなく、
ただ単に全力でぶつかったり、噛んだりするのではなく、
相手があってこそ、遊びが成立することをヴィリーが教えてくれました。
すごいぞヴィリー!!
海岸で保護されたハピネスくん。
親が誰なのか、兄弟はいたのか、いつ家族とバラバラになったなったのかはわかりませんが、間違いなく、バロンとヴィリーが親代わりや兄のように兄弟代わりになってくれたと思います。
子犬は1頭では育ちません。
人が犬の代わりにはなれません。
良かったね、ハピネス。
本当に楽しそうです。
ずーっと見てられますね。
なんだか嬉しそうなハピネスくん。
ヴィリー、まだまだ興奮しやすいし、やんちゃなとことはありますが、立派に育ったと思います。
たくさん遊んだら、リラックスする時間が増えてきますね。
ありがとう、ヴィリー。
ヴィリーの隣にいるモールちゃんも今回のお泊りで、やっと遊べるようになったので、これからが楽しみな子です。
モールちゃんも店長にべったりの可愛い子です♡
ヴィリーに続けー♪
犬同士は上手くいきましたが、散歩が刺激が無ければ問題ないのですが、なぜか夜のイルミネーションのところは歩けず・・・
最初は人や電車が通るガード下が怖いのかと思いましたが、昼間の山手通りは平気。
ということは、人はもうさほど問題ではない。
ガード下も、一本道を変えたら、嫌がりはするものの、なんとか通れました。
???
なんだ行けんじゃん。と思い、再び目黒川に戻るとパニック。
まさか・・・
イルミネーションが怖いのか笑!?
お客様に、普段の夜のお散歩の動画を送ってもらいました。
うん、真っ暗♪
ちょっと今までと差がありすぎたかな・・?
あれかな?ハピネスくんにしてみたら、なんで夜なのにキラッキラのお天道様みたいのがあるんだ。くらいの感じだったのでしょうか!?
山手通りに行けば歩けます。
うん、イルミネーションが一年中やってるところに住む人はいないから、イルミネーションは気にせずにいくことにしました。
そこに慣らすのは時間的にも厳しいのと、その慣らす時間があるのなら、もっといろんな場所に行って、たくさんの経験をさせたいと思ったからです。
それでも、もうこの頃には、ハピネスくんは私のことが大好きになっていました。
ご飯の時の待ても個別ではなく、みんなと一緒に出来るようになり、途中で待てをかければ、離れて待てるようになりました。
やはり、いつもそうですがみんな目が変わりますよね。
力みが消えて、優しくなります。
うっとり。
他の犬と遊ぶ以外は、常に私のそばにいるようになりました。
可愛い♡
後は、普通のお散歩での刺激が加わったときのパニックをいかに減らしていけるかが課題です。
うーん、やっぱりガード下に来ると止まっちゃうなぁ。
今回の合宿は1週間もなく、帰るまでに時間がありません。
ヴィリー、手伝ってくれないか笑!?
大好きなお兄ちゃんといったらどうかなー♪
ハピネス「イエエエエエエエエェイ!!ヴィリー兄ちゃんと一緒だぜー!!」
ヴィリー「こいつ相変わらずテンションやべえな・・」
なぜか狩られるヴィリーさん笑
そうこうしているうちにガード下が目の前に。
ふと我に返るハピネスさん。
一度、立ち止まりましたが、ヴィリーが何やってんだハピネス!?行くぞ。と振り返りながら歩き始めると、え?おれもいくー!!とあっさりクリア。
兄の存在は偉大なり笑
そして再び狩られるヴィリー笑
止めろ!!と叱られても、
大好きが止まらない♪
それでも、数分で落ち着いて歩けるように。
一緒に仲良く、地面をクンクン。
最初は怖かっただけのお散歩でしたが、ひっくり返れば、ストレスだった刺激も楽しいものに。
嫌がるから、怖がるからと、様子を見ている間にも子犬はどんどん成長してしまいます。
外での刺激は、家の中では経験できません。
そして、あっという間にお迎えの日。
お母さんに会えて嬉しそうなハピネスくん。
頑張ったね、ハピネス。
母ちゃん、おれ頑張ったよー。
この後、お散歩の仕方、伏せ、待てのやり方、これからの生活について、かなり細かくレクチャーしました。
お家に帰った後も、ずっとお客様とのやり取りは続いています。
それでも、やはり頭の良いハピネスくんは、駆け引きや隙を狙ってそこから崩そうとしてきます。
ご飯の時が上手くいかないとなれば、動画を送ってもらい、細かく指示を出しました。
上手くいかないのは想定内です。
どうしても、お客様がいうことをきかせなきゃ!!となると、緊張がどうしても生まれやすいです。
お客様には、何度も何度も、焦らないでください。と伝えました。
私と同じことを、お客様が最初から出来ないのは当たり前なのです。
ジャックとの出会いのブログにも書いたように、私もジャックとともに、試行錯誤して成長しました。
それでも、散歩の動画で、穏やかに歩くお客様とハピネスくんを見た時、店長は感動してウルウルして泣きそうになってしまうのでした。
これから、家の中でイタズラをしたり、興奮したり、叱られて逆ギレしたりして、ピリピリすることが必ず出てきます。
そんなときこそ散歩で外に出たらいいと思います。
ハピネスくんは頭がいいので、フリスビーやボール投げ、アジリティなどで体と頭を同時に動かすと良いと思います。
これから大変だと思いますが、1歳まで頑張ってもらいたいです。
2017年もたくさんの悩めるお客様と、理解されずに苦しむ犬たちがUGに来てくれました。
トレーニングについて、新聞の取材を受けるなど、まさかUGに入社したときは、このような流れになるとは全く予想していませんでした。
それでも、私は今までのスタンスは変えるつもりはありません。
私はトレーナーではありません。
トレーナーではなく、プロのペットショップ店員でありたいです。
トレーニングだけでなく、フードのアドバイス、健康のアドバイスが出来るプロの販売員をこれからも目指します。
これも何度も書いていますが、噛むから悪い犬、吠えるから悪い犬、すぐに治さなきゃ!ではなく、なぜ噛むのか?なぜ吠えるのか?を考えてあげることが大切だと思います。
飼っている子犬の特性は?
今年も、こういう犬種だから仕方がないとか、攻撃的なので治りません。と断言されてUGに来た柴犬がたくさん来ました。
みんな、今はクセはありますが楽しく暮らしています。
あとは、その子がペットショップから来たのか、ブリーダーさんのところから来たのか?
家族構成は?
1つとして同じ犬はいません。
お座りや伏せなどももちろん教えますが、お客様の考え、意識を変えることも重要視しています。
人が変わって、激変した子犬を今までたくさん見てきました。
それでも、元から大人しい子もいれば、生まれつきの強烈な強さを持った子犬も来ます。
その時に、お客様とどうしていきたいか?も話し合います。
どうしてうちの子はこんなに暴れるの?
どうしてうちの子は隣の子みたいに大人しくなれないの?
他の犬と比べてもどうにもなりません。
その子が持っている性格、資質を理解してあげること。
うんともすんとも言わない子が絶対に欲しいなら、厳しい言い方ですが、ぬいぐるみでいいのでは?と思う時があります。
それか、これからAI、人工知能を搭載したロボット犬が流行るかもしれませんね。
こちらの言うことを全部聞いてくれて、抜け毛もなければ、うんちもおしっこもしない。
先日、猫の飼育頭数が犬を上回ったというニュースを目にしました。
この業界は危機感を持っているようですが、私はそれでいいと思います。
簡単に飼って、簡単に手放す。
そんな時代はもう終わりでいいと思います。
経済的には先進国かもしれませんが、動物に関しては日本は後進国と言わざるを得ないと感じます。
本当に飼える人が飼ったらいいと思います。
ブームなんて無くていいです。
そして、個人的にはもっと犬猫の値段は高くていいと思ってます。
衝動買いなんて出来ない値段にしてもらいたい。
数十万~100万以上する車を衝動買いする人は少ないと思います。
別に私はお金持ちではありませんが、もし高くてもこれから犬は飼います。
犬が好きだからです。
命に値段を付けるな!!と言われるかもしれませんが、私は子犬、子猫そのものの値段ではなく、その先にいるブリーダーさんたちへの経費だと考えてもらいたいのです。
安く買い叩かれるブリーダーは、どうせ値切られるなら、たくさん頭数を揃えて、たくさん産ませればいい。と考えがちです。
それが破綻し、パピーミルの多頭崩壊に繋がり、大量に遺棄される問題が実際に起こっています。
本当であれば法律が変わればいいと思います。
適当に、簡単に飼えない法律にしてもらいたい。
金がかかるならいいや、そんなにめんどくさいならいいや。という人は飼えないようにする。
ペットショップで、衝動買いし、こんなはずではなかった。というパターンがカウンセリングでもあまりにも多すぎます。
まだカウンセリングに来た方はいいですが、理解されずに、誤解され、バカ犬と言われ続けながら生涯を終える子もたくさんいるのでしょう。
本当にバカなのは誰なのか?と正直言いたいです。
これもカウンセリングでよく話しますが、人は言葉でコミュニケーションをとれます。
でも、犬猫は言葉を話すことが出来ません。
人はストレスがたまったりしたら、気分転換にコンビニに買い物に行ったり、友達と遊んだり、遊園地に行ったりして、ストレス解消出来ますが、犬は勝手に外には出れません。
人と一緒でないと外に出れないのです。
問題犬という前に、本当にその子を理解出来ているのか?
その子に必要最低限の生活をさせているのか?をよく考えなければいけません。
犬猫は人がいないと生きていけません。
人がしっかりしないといけないのです。
捨てられ、殺処分された子達はほとんどが人がしっかりしていれば命を失わずに済んだはずです。
ペットショップじゃなくても、助けを待っている犬猫はたくさんいます。
ハピネスくんのお母さん、お父さんは、ハピネスくんを飼う前から、保護犬を家族として迎え入れようと思っていたそうです。
この若さでこの意識、本当に素晴らしいと思いました。
こういう考えがもっともっと広まって欲しいです。
ですが、はっきり言って、これからが大変です。
ハピネスくんは、まだまだ大きくなるし、もっと力は強くなるし、頭を使った駆け引きはおそらくずっと続きます。
でも、お客様が家族として迎えてくれたから、ハピネスくんは今、死なずに生きています。
暖かいお家で、キレイにしてもらって。
お客様に助けてくれてありがとう。という気持ちでいっぱいです。
小さな子犬の命を救ってくれてありがとうございます。
東京と山口県と距離感はあるけれど、これからもサポートしていきます。
ハピネスくんが1歳になったとき、最初は噛まれたり、襲われたり、イタズラされたけど、やっぱりこの子を飼って良かった!
この子と出会えて良かった!って笑いましょう。
そして、やっぱり犬って最高でしょ!!って叫びましょう♪
遠いし、お金もかかるし、来なくてもいいのでは?と思ったけれど、お客様とハピネスくんと出会えて良かったです。
お客様とハピネスくんが2017年、最後の合宿で良かったです!!
本当に有難うございましたm(_ _)m
最後にハピネスへ。
独りぼっちだったのを、父ちゃんと母ちゃんに家族にしてもらって今があるのがわかってるか笑!?
雨風がしのげる暖かい室内、体に良い高いフード、一日、1時間以上の散歩と自由運動。
元気なことはいいけど、あんまり父ちゃんと母ちゃんを困らせんなよ。
ハピネスだけが悪いわけじゃない、父ちゃんも母ちゃんも自分の責任で犬を飼うのは初めてだから、まだよくわからないだけなんだ。
きっと大丈夫、これからきっと良くなるから。
名前の通り幸せになれるよな?
またいつか会えるといいなぁ。
今年もたくさんのお客様と、犬たちとの出会いがありました。
UGが、わたしが少しでもお役に立てたなら嬉しいです。
来年もガンガン突き進んでいきたいと思います。
悩める飼い主様と、誤解されているかもしれない犬のために。
今年一年、このブログもたくさんの方に見ていただきました。
来年も新たな出会いがたくさんあることでしょう。
それでも、私はプロである前に愛犬家でいたいと思います。
ジャックとボルドーがいるから、今の自分がいます。
ジャック、ボルドー、ありがとう。
それでは最後にいつもの一言を。
やっぱり犬って最高でしょ!!
皆様、今年も大変お世話になりました。
よいお年をお迎えください。
来年も宜しくお願い致しますm(_ _)m