ドッグフードに塩分は必要ない?

カテゴリー: コラム
投稿日:

多くのドッグフードの添加物として使用されているナトリウムですが、必要ないと言われたり、塩が添加されているドッグフードは腐っている原料を使用しているから、あるいは嗜好性を高めるために塩っぱくしているのだと言われたりしますが本当でしょうか?

犬にとっての塩分

犬にとって塩分は必要なものです。この点で異論はないと思いますが、どのくらい必要と言われているのでしょうか?

AAFCO(米国飼料検査官協会)の基準では、ナトリウムが必要な量として、子犬は乾物値換算で0.3%、成犬は0.06%必要とされています。

犬は汗をかかないから塩分を排出できない?

犬は人間と違って汗をほとんどかかないから塩分を排出できないと言われることがありますが、果たして本当でしょうか?

一般的な発汗量の人間が摂取した塩分の大半は尿から排出されます。汗をかけば必要な量は増えますが、かなりの汗をかかない限り意識してナトリウムを摂取する必要はないと言われています。

人も犬も同じように大半が尿から排出される以上、この説の信ぴょう性はかなり怪しいと言わざるを得ません。

ペットフードの原材料に含まれる塩分

ペットフードの原材料にはどのくらいの塩分が含まれているのでしょうか?

例えばペットフードの主原料によく使われる鶏肉(若鶏の胸肉・皮付き)だと、100g中に31mgのナトリウムが含まれています。パーセンテージとしては0.03%です。水分が含んだ量なので、ペットフードになると割合は上がりますが、ナトリウムを多く含む食肉でもこの程度です。穀物は更に少ないものが多く、大豆や玄米は0.001%です。原料だけでAAFCOのナトリウム基準を満たすことは困難だといえます。
(原料のナトリウムは文部科学省・食品データベースより抜粋/2015年7月現在)

野生化の犬は、獲物をまるごと摂取します。骨や血には多くのナトリウムが含まれており、それらをまるごと摂取することで必要な栄養素を体内に取り込んでいます。しかし、ドッグフードに使われる肉原料のほとんどは血や骨が取り除かれているため、ナトリウムの調整が必要となります。

ナトリウムの過剰

確かにナトリウムの過剰は、心臓や腎臓に疾患のあるワンちゃんにとっては避けるべきといわれています。健康体でも過剰量のナトリウムは不必要だと言えるので、そこまでの量を添加しているのであれば問題はありますが、ナトリウムより穀物のほうが原価は安いと思われます。あえてナトリウムを多く添加する理由に乏しいと思われます。

塩分が嗜好性を高めるといわれることもありますが、犬の嗜好性に最も影響をあたえるのは味よりも匂いだと言われています。味についても、塩味よりも脂肪や甘みに対する感度が高いと言われていますので、嗜好性を高めるのであれば別のものを添加するのが合理的のように思えます。あえて塩分を添加する理由はないと言い切ることは出来ませんが、可能性としては低いのではないでしょうか。

腐っている原料を使用しているから塩を添加する

よく腐敗原料を使っているから塩を添加しているという話を聞きますが、塩を使うと腐敗を抑えることは出来ますが、すでに腐敗したものを復活?させることが出来るということは私の知る限り聞いたことがありません。

また、通常のドッグフードは100度以上の熱を加えて加熱殺菌されるため、塩が添加されていなくとも腐敗菌の多くは製造工程で死滅します。

AAFCOの基準を満たすほぼ全てのドッグフードには塩分添加が必要

以上のことから、ドッグフードを、AAFCO基準のナトリウム量を満たすためには多くのケースで塩分の添加が必要で、塩やナトリウムなどの添加があっても、ほとんどのケースでは問題になりません。AAFCOの基準を満たさなければ、添加しなくても問題はないですが、その場合は健康に問題が生じる可能性が高まります。

共有この記事が参考になりましたら、共有してみて下さい。
カテゴリー: コラム
投稿日:
投稿者:

この記事の筆者

吉武 雄史UGpet Inc. 代表取締役社長

小学校の卒業文集に「ペットショップの店長になりたい」と夢を記し、20歳となり1年間アルバイトをして貯めた資金を元手として、明治大学在学中にUGペットを創業。現代表取締役社長を務める。愛犬はトイ・プードルのくるみとミニチュアダックスフントのビビ。

コメントはお気軽にどうぞ