保存料、酸化防止剤

保存料、酸化防止剤は、ドッグフードを長期間保存できるようにするために使用される添加物です。大きく分けて天然のものと、合成のものがあります。

保存料や酸化防止剤については、日本の厚生労働省の認可があるものが基本的に使用されています。しかし、合成の保存料や酸化防止剤の中には、アレルギーを引き起こす可能性があるものや、人用としての認可を受けていないものが使用されている場合があるので注意が必要です。

ミックストコフェロールを始めとした天然の保存料や酸化防止剤は合成のものほどの酸化防止力がないため、開封から早め(通常1ヶ月以内)に使うと同時に、保存場所も直射日光の当たらない湿度が低い場所に置く等、管理に一定の配慮が必要です。

ローズマリーエキス

ローズマリーは、シソ科マンネンロウ属のハーブです。カルノシン酸、カルノソール、ロズマリン酸を含み、主に天然の酸化防止剤として使用されます。

ミックストコフェロール

ミックストコフェロールは、ビタミンEのことで、植物性油脂から精製される天然の酸化防止剤です。

BHT

BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)とは、合成保存料の一種です。2013年現在、人用として日本の厚生労働省の認可を受けている添加物です。 IARCの発がん性分類では、ヒトに対する発癌性が分類できない「Group3」に分類されています。

エトキシキン

エトキシキンとは、有機窒素化合物で酸化防止剤として使用される合成添加物です。2013年現在、日本では食品添加物としての認可を受けていない酸化防止剤です。 エトキシキンは枯葉剤の成分であるといわれることがありますが、エトキシキンは枯葉剤の主成分ではなく酸化防止剤として使われていただけであり、それは誤りです。

BHA

BHA(ブチルヒドロキシアニソール)は、合成保存料の一種です。 1982年に名古屋私立大医学部の伊東信行教授らによるマウスの実験において、2%という高濃度のBHAを添加した餌を与えたところ、前胃に発ガン性が認められました。この実験の結果から考えると発がん性が認められたのは前胃のみであったため、前胃のない犬や猫には発がん性が認められない可能性が高く、通常は2%もの高濃度での添加がされないため、適量のBHAが添加されたドッグフードやキャットフードで与えても発がん性については問題ないと考えることも出来ます。 他に1990年にデービッド・D・クレイソンというカナダ厚生省の専門家らが発表した論文では、イヌ、ブタ、サルを用いた実験で発ガン性が認められないという総説を出しています。 IARCの発がん性分類では、ヒトに対する発癌性が疑われる「GROUP2B」に分類されています。

クエン酸

クエン酸とは、グレープフルーツ、レモン、オレンジ等の柑橘類などに含まれる成分です。主に酸化防止剤として使用されますが、その他にも疲労回復等の効果があるとされています。