肉類(動物性タンパク源)

チキンやターキー等の肉類は、ドッグフードの主原料として最も使用されています。肉の種類によって栄養に特色があります。肉類の配合が多ければ、その分嗜好性も高くなります。牛肉やチキンにアレルギーを持つ犬が増えており、アレルギー対策として鹿肉やカンガルー肉を使用したドッグフードもあります。

肉類の成分傾向としては、タンパク質脂肪が多くオメガ6脂肪酸を豊富に含んでいます。

ターキー

七面鳥(ターキー)肉は、高たんぱく低脂肪の食材です。食肉の中ではリンの含有量が少なく、鉄分やカルシウムを豊富に含んでいます。多くのドッグフードやキャットフードの主原料として使用されています。

カンガルー肉

カンガルー肉は高たんぱく質、低脂肪(約2%)、低カロリー、低コレステロールで太りがちなわんちゃんに特に向いており、オメガ6脂肪酸の一種である共役リノール酸(CLA)が他のお肉に比べて豊富な点も大きな特徴です。低アレルゲンの食材であり、野生のカンガルーは抗生物質・成長ホルモン等の汚染のない安全な素材です。

エミュー肉

エミュー肉は高タンパク、低脂肪、低カロリーであり、脂肪率は牛の1/3の約4%ほど、カロリーはベニソン鹿(189Kcal)、バイソン(237Kcal)、牛(255Kcal)、七面鳥(235Kcal)と比較しても164Kcalと一番低く、鉄分が多いのも特徴です。リーンビーフ(脂身の少ない牛肉)のような食感と風味です。諸外国でBSEや鳥インフルエンザが発生以来、これまでオーストラリアのエミューにおいて発生したケースはありません。

チキン

チキン(鶏肉)は、高タンパク低脂肪でアミノ酸をバランスよく含むタンパク源です。多くのドッグフードやキャットフードにおいて主原料として使用されています。他の肉類に比べると、消化吸収率が高くビタミンAが豊富に含まれています。

牛肉

牛肉は、必須アミノ酸をバランスよく含む優れたタンパク源です。肉類の中では特に鉄分や亜鉛、ビタミン(B12、E)が多く、その他、ビタミン(B1、B2)、カルシウムも豊富に含んでいます。また牛肉に含まれるヘム鉄は、非ヘム鉄に比べ、吸収率が数倍よいことが知られています。

豚肉

豚肉は、必須アミノ酸をバランスよく含む優れた動物性タンパク源です。他の肉類と比べて、特にビタミン(B1、B2、E)が豊富に含まれています。

バイソン肉

バイソン肉(水牛肉)は牛肉や鶏肉と比較して脂質やコレステロールが少なく、高タンパクで低脂肪、低カロリー、低アレルゲンの動物性タンパク質です。

猪肉

猪肉(ボア)は、良質な蛋白質は勿論、疲労回復や皮膚の健康維持をサポートするビタミンB群を多く含んでいます。牛肉や豚肉より低カロリーです。 日本では、牡丹肉や山鯨とも呼ばれ、古くは冬期の栄養補助食や薬食として利用されてきた歴史があります。

ラム肉

ラム肉(羊肉)は、(およその目安として)生後12ヶ月未満の羊、またはその肉のことをいい、高たんぱく低カロリーで低アレルゲンの食材です。多くのドッグフードやキャットフードの主原料として使用されています。また、ラム肉には「L-カルチニン」が豊富に含まれています。L-カルニチンは、脂肪酸をミトコンドリアに運ぶ必須の物質で、脂肪の燃焼をサポートするといわれてます。

鹿肉

鹿肉は、高タンパク低カロリー低脂肪で、カルシウムや鉄、亜鉛などを豊富に含む食材です。また、鹿肉には陸上動物の肉には珍しく、青魚に多く含まれているDHA(ドコサヘキサエン酸)が含まれています。低アレルゲンな食材で、食物アレルギー対策を謳ったペットフードによく使用されるタンパク源です。

ダック肉

ダック肉(鴨肉)は、低脂肪でアミノ酸をバランスよく含む低アレルゲンのタンパク源です。ダック肉はビタミンB1・B2などのビタミンB群や鉄分を多く含み、他の肉と比べ不飽和脂肪酸の含有率が高く、オメガ3系脂肪酸であるαリノレン酸を多く含有しています。アレルギー対策フードによく使用されています。

ヤギ肉

ヤギ肉は、高タンパク低脂肪の食肉です。特徴的な成分として鉄分が挙げられ、牛肉と比べて約2.5倍と豊富に含まれています。